台湾の鴻海株急落、中国当局が系列会社の税務と土地使用を調査

　１０月２３日、台湾の鴻海（ホンハイ）精密工業の株価が台湾市場で一時３％急落。同社が中国で税務と土地使用に関する調査を受けているとの報道を嫌気している。写真は台湾の台北で昨年１１月撮影（２０２３年　ロイター／Ann Wang）

[台北 ２３日 ロイター] - 台湾の鴻海（ホンハイ）精密工業の株価が２３日の台湾市場で一時３％急落。同社が中国で税務と土地使用に関する調査を受けているとの報道を嫌気している。

中国共産党系紙の環球時報は、鴻海の主要中国子会社の一部が税務調査を受けているほか、中国の自然資源省が河南省や湖北省などにおける系列企業の土地使用について、立ち入り調査を行ったと報じた。

鴻海は２２日の声明で「事業展開先の法令を順守することは、当社の基本原則だ」と表明した。

同社は米アップルに供給するｉＰｈｏｎｅ生産の大半を河南省鄭州工場で行っており、その他にインドと中国南部にも生産拠点がある。

鴻海の創業者、郭台銘（テリー・ゴウ）氏は来年１月の台湾総統選に無所属で出馬している。ゴウ氏は２０１９年に経営トップの会長を退いている。

台湾の複数のテレビ局によると、総統選の与党・民主進歩党（民進党）候補で世論調査でトップを走る頼清徳・副総統は２２日の選挙集会で、今回の報道について「予想外」で「残念だ」と発言。「われわれ市民全員が鴻海と台湾企業を支援できることを期待する」と述べた。