ＵＡＷ、ステランティス最大の組み立て工場にもスト拡大

全米自動車労組（ＵＡＷ）は２３日、クライスラー親会社の欧米系自動車大手ステランティス最大の組み立て工場にストライキを拡大した。２０２１年６月撮影（２０２３年　ロイター/Rebecca Cook）

David Shepardson　Joseph White

[ワシントン／デトロイト ２３日] - 全米自動車労組（ＵＡＷ）は２３日、クライスラー親会社の欧米系自動車大手ステランティス最大の組み立て工場にストライキを拡大した。収益性の高いＲＡＭ１５００ピックアップトラックの生産に打撃となる。

ステランティスのミシガン工場で働く６８００人が新たにストに参加。同社が労使交渉で賃上げなどの待遇改善を巡り「最悪の提案」を行ったとした。

スト拡大により、フォード・モーター,、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）も含むビッグ３の総従業員の約２７％に相当する組合員４万人強が参加したことになる。ＵＡＷは９月１５日にビッグ３に対する一斉ストを開始した。

ステランティスは、労使交渉でより手厚い内容を提示したにもかかわらずストが拡大したことに「憤慨」しているとコメント。ビッグスリー全てに「痛み」をもたらすＵＡＷの戦略は「長期的な代償」を伴うとし「ストを決めるたびにＵＡＷは、労組のない競合社に国内シェアをささげている」と批判した。

インガルス・アンド・スナイダーのシニア投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、ピックアップトラック工場へのスト拡大について「ビッグスリーの生産のまさに心臓部に広がる」と指摘。

ウェルズ・ファーゴのアナリスト、コリン・ランガン氏は、ミシガン工場のストが営業損益ベースで１週間当たり１億１０００万ドルの減益要因になると試算。スト全体の損失額が従来の２倍の約２億ドルに膨れることになる。

短文投稿サイトのＸ（旧ツイッター）への投稿によると、ＵＡＷのショーン・フェイン委員長は工場から立ち去る労働者たちと握手を交わし、ピケのサインを配ったという。