エヌビディア決算:識者はこうみる
ロイター / 2024年5月23日 10時36分
米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>が22日発表した第2・四半期(5─7月)の売上高見通しは市場予想を上回り、人工知能(AI)向け半導体の需要拡大を見込む投資家の期待に応える結果となった。写真は同社のロゴ。2024年1月8日に撮影。(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 23日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア
<楽天証券経済研究所 チーフアナリスト 今中能夫氏>
決算は市場の予想を大幅に上回る100点満点の内容だった。アナリスト会見ではデータセンター向け需要が相変わらず大きいことが示された。既存顧客のクラウドサービス会社向け需要が旺盛で、需要構造に変化がないのはいいサインだ。
年後半から来年にかけてDRAMをはじめとするメモリー半導体への投資も活発化するとされているため、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコなどの国内半導体装置メーカーも恩恵を受けるとみている。
ネガティブ要素を敢えて挙げるなら、研究開発費を大幅に積み増したことで、粗利益率見通しが低下したことだろう。同社の次世代GPU「ブラックウェル」の製造工程は複雑で、受託生産を行う台湾積体電路製造(TSMC)へのコストがかさむとされている。
今後の注目点は、ブラックウェルの供給状況だ。8─10月頃には需要がはっきりみえてくるだろう。TSMCが生産能力を拡張できるかも注目される。
<T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー
浪岡宏氏>
エヌビディアの決算内容は非常に良かった。5―7月の売上高見通しが市場予想を上振れた点は当然ポジティブ。第1・四半期の調整後粗利益率が市場予測を超えてきた点も評価できる。かつ、現在のエヌビディアの株価は高すぎる状況ではないとみており、上値を追う余地は十分にあるだろう。
今後は日本の半導体関連株も上昇する可能性が高く、日経平均を押し上げるとみている。同社のサプライヤーである台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>の業績が上向くとみられ、国内では特に、東京エレクトロン <8035.T>の上昇が期待できるのではないか。
<オムディア シニアディレクター 南川明氏>
大方の予想を上回る内容だった。米ハイテク大手各社は生成AI(人工知能)による学習を進めているところで、活発なデータセンター投資が少なくとも来年あたりまで継続する。売り上げや営業利益の上昇は続くとみている。
競合チップが出てきており完全独占ではないが、ユーザー向け開発ツールがそろっているエヌビディアの優位性は、来年いっぱいは継続するだろう。新型チップの発売を前にした買い控えで秋口あたりに業績がスローダウンする可能性はあるものの、新製品が出ればそちらの売り上げが伸びる。
同社の半導体を受託生産する台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>による先端プロセス投資はもう一段、加速するとみられ、国内の装置メーカーにとって追い風になり得る。
この記事に関連するニュース
-
このままでは日本経済全体の足を引っ張る…「日の丸連合ラピダス」に融資が集まらない深刻な事情
プレジデントオンライン / 2024年6月10日 8時15分
-
なぜ「時価総額世界1位のマイクロソフト」が必死に他社と組むのか…自社だけでは生き残れない「AI革命」の本質
プレジデントオンライン / 2024年6月3日 9時15分
-
世界の半導体売上高、年間10%成長 TSMCが見通し
ロイター / 2024年5月23日 14時15分
-
エヌビディア、5─7月売上高見通しが予想超え 株価最高値圏に上昇
ロイター / 2024年5月23日 8時4分
-
AI相場の主役エヌビディア決算の発表待ち!日本株はセル・イン・メイの5月を乗り切れるか?
トウシル / 2024年5月20日 14時0分
ランキング
-
1バーガー店打撃…日銀「国債買い入れ減額」で “歴史的円安”に歯止め?
日テレNEWS NNN / 2024年6月15日 13時57分
-
2中国の過剰生産「有害」=雇用保護へAI行動計画―G7首脳声明
時事通信 / 2024年6月15日 16時44分
-
3「南高梅」が全国で記録的不作、価格は例年の3〜4倍に…「こんなことは初めて」
読売新聞 / 2024年6月15日 12時4分
-
4投資の神様「ウォーレン・バフェット」の功罪。他の投資家と何が違ったのか【プロの投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月15日 8時15分
-
5リニア工事で井戸などの水位低下、JR東海の対応策を静岡県が了承
読売新聞 / 2024年6月15日 18時22分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください