小林製薬、会長と社長が辞任 紅こうじ問題の責任明確化

Kuniko Mutoh

［東京　２３日　ロイター］ - 小林製薬は２３日、小林一雅会長と小林章浩社長の辞任を同日開催の臨時取締役会で決定したと発表した。後任の社長には山根聡専務が８月８日付で就任する。「紅こうじ」を配合したサプリメントによる健康被害問題を巡る一連の対応について、取締役の経営責任を明確にするためとしている。

役員報酬を一部自主返上も決めた。対象期間は２０２４年１月から６月までの６カ月間で、小林章浩社長は月額報酬額の５０％、山根専務は同４０％を返上する。

同社は健康被害問題を巡る事実検証委員会の調査報告を踏まえた取締役会の総括を併せて発表した。それによると、調査報告は総括で、今年１月中旬以降、医師からの腎障害症例が相次いだことについて、製品を摂取する消費者の安全を最優先に考え、情報開示や製品回収という選択肢に力点を置き、症例報告を行った医師や外部専門家に連絡し、行政当局に相談するなどの姿勢がより強く求められたと指摘した。今後については、今回の問題を深く掘り下げた再発防止策を策定し実践するものと理解するとした上で、小林製薬と役職員が問題と向き合い、真の再発防止策を実行することを強く期待するとした。