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中国の大学、アマゾンのクラウドで米先端半導体にアクセス=文書

ロイター / 2024年8月23日 14時27分

中国政府の関連企業が、米アマゾン・ドット・コムや同業他社が提供するクラウドサービスを利用して、米国の先進的なチップや人工知能(AI)機能にアクセスしていることが、入札書類で明らかになった。資料写真、3月(2024年 ロイター/Benoit Tessier)

Eduardo Baptista Fanny Potkin Karen Freifeld

[北京/シンガポール/ニューヨーク 23日 ロイター] - 中国政府とつながりのある機関が、米アマゾン・ドット・コムや同業他社が提供するクラウドサービスを利用して、米国の先進的なチップや人工知能(AI)機能にアクセスしていることが、入札書類で明らかになった。

米政府は中国の軍事能力を制限する必要があるとして、過去2年間にわたり中国への高性能AIチップの輸出を規制している。

しかし、規制の対象となるのは商品やソフトウエア、技術の輸出・移転のみで、クラウドを通じた高性能チップやAIモデルへのアクセス提供は違反にならない。

ロイターが過去1年間に中国の公開データベースに掲載された50件以上の入札文書を調査したところ、少なくとも11の組織が制限された米国の技術やクラウドサービスへのアクセスを求めていた。

そのうち4組織はクラウドサービスプロバイダーとしてアマゾンのクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の名前を明示している。ただ、AWSから直接ではなく、中国の仲介会社を通じてサービスにアクセスした。

文書は中国の事業体が高度なコンピューティング能力の確保や生成AIモデルへのアクセスを目指し、さまざまな戦略を取っていることを示すほか、この分野での中国の需要拡大を利用しようとする米企業の動きを浮き彫りにしている。

アマゾンのクラウド事業広報担当者は「中国国内外でのAWSサービスの提供に関して、貿易法を含む適用される全ての米国法を順守している」と述べた。

調査会社カナリスによると、AWSは世界のクラウドインフラ市場の約3分の1を占める。調査会社IDCによると、中国では第6位のクラウドサービスプロバイダー。

3月の入札書類によると、深セン大学は詳細不明のプロジェクトで、米エヌビディアのチップ「A100」と「H100」を搭載したクラウドサーバーへのアクセスを得るためにAWSのアカウントに20万元(2万7996ドル)を投じた。このサービスは仲介業者である成都運達科技を介して提供された。

この2つのチップは米オープンAIの「チャットGPT」のような大規模言語モデル(LLM)に使用されるもので、中国への輸出は禁止されている。

深セン大学と運達科技はコメント要請に応じなかった。エヌビディアは深セン大学の支出や他の中国企業との取引に関するコメントを控えた。

米マイクロソフトのクラウドサービスへのアクセスを求める事業体もある。

四川大学は4月の入札文書で、生成AIプラットフォームを構築しており、このプロジェクトの達成に向けマイクロソフトの「アジュール・オープンAI」のトークンを4000万個購入すると述べた。

米政府は現在、外国の事業体によるクラウド経由の米先端技術へのアクセスを制限するため規制を強化しようとしている。

米下院外交委員会のマイケル・マコール委員長は「この抜け穴は長年のわたしの懸念事項で、対応がかなり遅れている」と、ロイターに語った。

米技術の遠隔アクセスを規制する権限を商務省に与える法案が4月に議会に提出されたが、可決されるかどうかやいつ可決されるかは明らかではない。

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