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米企業、景気は堅調ながらも利益率低下と指摘=地区連銀報告

ロイター / 2024年10月24日 6時30分

米連邦準備理事会(FRB)が23日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、ほぼ全ての地区で経済活動は横ばいとなった一方、2地区が緩やかな成長を報告した。写真は8月、米ワシントンで撮影(2024年 ロイター/ Umit Bektas)

[23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が23日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、ほぼ全ての地区で経済活動は横ばいとなった一方、2地区が緩やかな成長を報告した。インフレ圧力は引き続き緩和し、物価は大半の地区でわずかまたは緩やかなペースで上昇したとした。

一方で、全般的に投入価格が販売価格よりも速いペースで上昇し、企業の利益率が圧迫されていることも示した。

米経済は堅調な所得の伸びと十分な家計貯蓄に支えられている。労働市場の勢いは鈍化しているものの、解雇は歴史的に低い水準にあり、賃金の上昇を支えている。9月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数の前月比は過去6カ月で最大の伸びを示した。失業率は4.1%で、前月から低下した。9月の小売売上高も底堅く増えた。

堅調な労働市場の状況は今回の報告でも反映され、前回より多くの地区でわずかもしくは緩やかな成長が報告された。

ただ、労働需要はやや鈍化している。ミネアポリス地区連銀の報告では、ミネソタ州の供給会社の関係者は埋めるのに苦労していた高技能の運転手に関する求人への引き合いの多さに「椅子から転げ落ちそうになった」と語った。

一方、解雇は引き続き限定的で、明らかな悪化の兆候はほとんど見られていない。サンフランシスコ地区連銀は、一部の雇用主が過去1年間保留にしていたポジションの採用を開始したと言及した。全体として賃金は「控えめまたは緩やかなペースでおおむね上昇を続けた」と報告された。

11月5日に大統領選挙を控え、インフレをはじめとする経済が有権者の重視する問題となっている。報告では「不確実性が高まっているにもかかわらず、長期的な見通しはいくらか楽観的だった」と言及した。楽観的な見通しの理由として、借入コストの低下と今後のさらなる利下げへの期待が挙げられた。

同時に、選挙やインフレ見通し、金利の動向を巡る不透明感は、依然として多くの地域で重しとなっている。ニューヨーク連銀は「大統領選挙を巡る不透明感から企業は雇用に関する決定をためらっている」と述べた。

報告によると、大半の地区で販売価格はわずかもしくは非常に緩やかな上昇にとどまったが、卵や乳製品など一部の食品価格はより大幅に上昇した。これまでの報告と同様に消費者は価格により敏感になっている。

投入価格はおおむね緩やかに上昇。複数の地区で、販売価格の引き上げ分を上回って企業利益を圧迫する要因となった。保険料や医療費の上昇による圧力が特に強かったと指摘された。

FRBは9月17─18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げることを決め、4.75─5.00%とした。通常よりも大幅な利下げだった。その後、個人消費や雇用、インフレに関する経済指標で予想を上回る数値が相次ぎ、金利引き下げのペースと規模に対する市場の見通しは後退した。

11月6─7日に開かれる次回のFOMCでFRBは0.25%ポイントの利下げを決定し、12月も同規模の追加利下げを決めると市場は予想している。

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