米IBM、第3四半期売上高が予想届かず AI導入でソフト部門は好調
ロイター / 2024年10月24日 8時11分
Arsheeya Bajwa
[23日 ロイター] - 米IBMが23日発表した第3・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。企業の裁量支出削減を受けたコンサルティング部門の不振のほか、インフラ事業の減収が響いた。
決算発表を受け、IBMの株価は時間外取引で約4%下落した。
総売上高は前年同期比約1%増の149億7000万ドル。LSEGがまとめたアナリスト予想の150億7000万ドルを下回った。
経済環境が不透明な中、企業は人工知能(AI)を中心とした長期的コンサルティングの費用を優先するようになり、短期的なコンサルティングサービスを提供するIBMなどの企業が影響を受けている。
アービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は会見で「裁量的支出の一時中断がIBMのコンサルティング事業に影響を与えている」と述べた。
こうした中でも、企業の間で生成AI技術に対応するためクラウドインフラを拡大する動きが続いていることを背景に、ソフトウエア部門が3年ぶりの大幅な増収を記録。
ソフトウエア部門の成長で全体の収益が押し上げられ、調整後1株当たり利益は2.30ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の2.23ドルを上回った。
ソフトウエア部門が5分の1、コンサルティング部門が5分の4を占める「AIブック・オブ・ビジネス」(予約と実際の売上の合計)は30億ドルと、第2・四半期から10億ドル増加した。
ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに対し「多くの顧客は、生成AIに投資するためのコストと生産性をいかに捻出するかを検討している」と語った。
コンサルティング部門の売上高は51億5000万ドルと、前年同期比約0.5%減。アナリスト予想の52億4000万ドルを下回った。
ランニング・ポイント・キャピタルのマイケル・アシュレイ・シュルマン最高投資責任者(CIO)は「顧客の予算は拡大しておらず、AIコンサルティングで売り上げが増えるのではなく、既存の契約からの売り上げが減っている」と指摘した。
メインフレームを含むインフラ部門の売上高は30億4000万ドルと、7%減少した。
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