独クリスマス市襲撃の容疑者、殺人などの罪で勾留命令

１２月２２日、 ドイツ東部マクデブルクで車がクリスマスマーケットに突っ込み多数の死傷者が発生した事件を巡り、捜査当局は現場で拘束したサウジアラビア出身の男に対して殺人や殺人未遂、傷害の疑いにより治安判事が勾留命令を出したと発表した。写真は事件現場に花を手向ける人々（２０２４年　ロイター/Annegret Hilse）

Rachel More　Ayhan Uyanik　Petra Wischgoll

[マクデブルク ２２日 ロイター] - ドイツ東部マクデブルクで車がクリスマスマーケットに突っ込み多数の死傷者が発生した事件を巡り、捜査当局は２２日、現場で拘束したサウジアラビア出身の男に対して殺人や殺人未遂、傷害の疑いにより治安判事が勾留命令を出したと発表した。

男は２０年近くドイツに住む精神科医で、反イスラム活動に従事していたとされる。犯行の動機はまだはっきりしていない。

当局によると事件当日の２０日、男は車を運転して非常用出口からマーケット内に入り込み、スピードを上げて群衆に突入。これにより５人が死亡、２００人余りが負傷した。

男の氏名は公表されておらず、メディアは「タレブＡ」とのみ伝えている。

フェーザー内相は２２日、事件の徹底的な捜査を行うと表明するとともに「見つけ出した全ての手掛かりを総合して、既存のいかなる類型にも当てはまらないこの犯人の実像をあぶり出すのが仕事だ。この犯人はイスラムに明確な敵意を示しながらまるでイスラム過激派テロリストのように信じられないほど冷酷かつ残忍に行動した」と述べた。

事件現場では２１日夜、約２１００人が参加した極右のデモが行われて、警察によると小競り合いや「多少の混乱」が生じたもよう。デモ隊の一部は黒い目出し帽を身につけて「リマイグレーション」と書かれた大きな看板を掲げ、行進した。リマイグレーションは、移民の大量強制送還を求める極右支持者の間で利用が広がり、差別用語の様相を呈している。

一方現場付近には犠牲者を悼む多数の花束が添えられていた。