EU、英通商合意を固く決意 現実的な協議継続=バルニエ交渉官
ロイター / 2020年9月24日 2時34分
[ロンドン/ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官は23日、EUは英国と通商協定で合意すると固く決意しているとしながらも、英国のジョンソン首相が離脱協定の一部を無効にする権限が盛り込まれた「国内市場法案」を提案したことを受け、現実的かつ強い態度で英国と交渉を行っていくと表明した。
非公式協議のためにロンドン入りしたバルニエ氏は、合意が得られると楽観的に考えているかとのロイターの質問に対し「決意を固めている」とし、「われわれは落ち着いて、敬意を持って、現実的かつ強い態度で、引き続き交渉に臨む」と述べた。
さらに「われわれは冷静さを保ち、敬意を払い、現実的で毅然とした態度で臨む」とした。EU離脱協定の一部を無効化する英国の「国内市場法案」についてはコメントしなかった。
こうした中、英国のゴーブ内閣府担当相は議会で「われわれは合意にこぎ着けるよう何でもする決意がある。合意なしは誰の利益にもならない」と強調。EUはなお主権国家としての英国の立場を理解しておらず、英国を自分のルールに縛り付けようとしているとし、「こうした困難な課題を克服し、全員の利益にかなう自由貿易協定を結べると確信している」と述べた。
英下院は22日、国内市場法案に盛り込まれたEU離脱協定の一部を無効にする権限について、行使前に議会の承認を求めるとする修正案を採決なしに承認。同法案はイングランド、ウェールズ、スコットランド、英領北アイルランド間の自由な取引を確保することが目的。ただ、北アイルランドの扱いを巡って離脱協定に違反することになるため、EUだけでなく、与党・保守党内からも批判が出ている。
ただ、同法案は議会での討議に11月いっぱいかかる可能性がある。EU外交筋は「同法案の成立に時間がかかるため、英国が挙げた懸念事項について建設的に協議する時間的な余裕が得られる」と述べた。
*内容を追加しました。
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