中国、2040年以降も石炭利用継続 気候目標に影響も=調査
ロイター / 2024年4月23日 16時43分
4月23日、環境リスクの評価を手掛けるノルウェーのDNVは、中国の石炭消費が2040年までに約3割しか減らないとの見通しを示した。写真は昨年4月、陝西省楡林市で撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)
Colleen Howe
[北京 23日 ロイター] - 環境リスクの評価を手掛けるノルウェーのDNVは23日、中国の石炭消費が2040年までに約3割しか減らないとの見通しを示した。
国際エネルギー機関(IEA)は世界の平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるには、石炭発電能力を40年までに世界的に廃止する必要があると指摘しており、気候目標の達成が危ぶまれる恐れがある。
DNVによると、中国の石炭消費は今後2年で「わずかに増加」し、その後40年までに約3割減少する。50年にはピーク時の約25%になる見通し。
中国の再生可能エネルギー発電は今後大幅に増加し、50年に電源構成の88%を占めるとみられるが、石炭の利用は継続されるという。
天然ガスの消費は50年までに22年比で2%しか減らない見通し。
ただ、特に製造業で脱炭素化を加速すれば、60年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現するという中国の目標を「ほぼ」達成できるという。
DNVは、中国の炭素排出量が公式目標の30年よりかなり早い26年までにピークに達すると予測。同国の総エネルギー需要は30年にピークを迎え、その後50年までに20%減少する見通し。
中国では、電化を背景に石炭よりも石油の利用廃止が急ピッチで進むとみられ、道路部門の石油需要は50年までに94%減少する見込み。石油の総消費量は27年のピークから50年までに半減するが、輸入依存度は84%で高止まりすると予測されている。
航空燃料需要に占める石油の比率は、バイオエネルギーや合成燃料などの利用定着で22年の99.6%から50年には59%に低下するとみられている。
この記事に関連するニュース
-
アングル:データセンター対応で化石燃料使用急増の恐れ、再エネ開発追いつかず
ロイター / 2024年11月23日 10時26分
-
今年も化石燃料によるCO2排出量は「過去最高」に...「生きるか死ぬかの問題だ」WHO専門家がCOP29で警告
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 6時8分
-
脱炭素化が「新たな地政学」生む...COP29で「温室効果ガス排出81%削減」表明した英スターマー首相の皮算用
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月13日 16時54分
-
中国の気候変動対応で新たな進展、砂漠化面積が減少
Record China / 2024年11月6日 19時20分
-
IEA、送電網と蓄電池への投資増加の必要性を提示(世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月30日 0時45分
ランキング
-
1英仏、ウクライナ派兵議論か=トランプ氏就任に備え―ルモンド紙報道
時事通信 / 2024年11月25日 21時46分
-
2ロシア使用の北朝鮮製弾道ミサイルに“欧米や日本の部品” ウクライナ国防省が明らかに
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 7時59分
-
3対人地雷の「再び高まる脅威」懸念 国連事務総長 米の供与発表後
AFPBB News / 2024年11月25日 19時25分
-
4女性被害の殺人、犯人の6割身内=「家庭が最も危険」―国連
時事通信 / 2024年11月26日 7時27分
-
5レバノン停戦「合意目前」 米仏大統領、近く発表か
共同通信 / 2024年11月26日 9時27分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください