トランプ政権、フーシ派を「外国テロ組織」に再指定 人道危機悪化懸念も
ロイター / 2025年1月23日 12時32分
1月22日、米ホワイトハウスは、トランプ大統領がイエメンの親イラン武装組織フーシ派を「外国テロ組織(FTO)」に再指定したと発表した。写真はパレードに参加するフーシ派の戦闘員。イエメンのサヌアで昨年12月撮影(2025 ロイター/Khaled Abdullah)
Phil Stewart
[ワシントン 22日 ロイター] - 米ホワイトハウスは、トランプ大統領が22日にイエメンの親イラン武装組織フーシ派を「外国テロ組織(FTO)」に再指定したと発表した。
第1次トランプ政権はフーシ派をFTO指定していたが、バイデン前政権はイエメン国内の人道状況を巡る懸念を理由にこれを解除した。前政権は、フーシ派が紅海で商船攻撃を繰り返すと「特別指定国際テロリスト」に指定したものの、これよりも厳しい経済制裁が可能となるFTOの指定は見送っていた。
ホワイトハウスは「フーシ派の行動は中東における米国の民間人・軍関係者とこの地域の最も緊密なパートナー諸国の安全や、世界の海運貿易の安定を脅かしている」と説明した。
フーシ派は2023年11月以降、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦っていたイスラム組織ハマスと連帯すると称し、紅海を航行する商船を100回以上も攻撃。重要な海上輸送ルートが危険になり、商船が南アフリカ喜望峰沖を迂回するより長期・コスト高の輸送を強いられ、世界的な物流の混乱につながっている。
ただFTO指定により、イエメン市民への人道的な援助などもフーシ派に対する支援と見なされかねないことを懸念する声もある。
英国を拠点とする国際慈善団体オックスファムは、イエメン市民にとって大事な食品・医薬品・燃料の輸入が滞り、市民の苦しみが増大すると主張。オックスファム・アメリカの平和・安全保障ディレクター、スコット・ポール氏は「トランプ政権はそうした事態を招くことが分かっているが指定手続きをする道を選んだ。その後に起きる飢餓や病気の責任を負うことになる」と批判した。
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