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天皇陛下の記者会見要旨

時事通信 / 2024年6月19日 20時15分

 天皇陛下の訪英前記者会見要旨は次の通り。

 ―今回の訪英の意義と抱負は。

 コロナ禍で延期されていた訪英の実現を大変うれしく思う。エリザベス女王の存命中に伺えなかったことが心残りだ。

 私自身は昭和61年、平成3、13年に訪英し、一昨年に女王の葬儀参列のため(皇后さまと)二人で訪れた。今回の訪問では、日英交流の歴史に思いをはせたい。昭和50年に女王夫妻が国賓として来日し、昭和61年に当時のチャールズ皇太子夫妻が来日した。平成27年に現在のウィリアム皇太子が東日本大震災の被災地、福島県と宮城県を訪れた。令和元年にはチャールズ国王が皇太子として私の即位の礼に出席し、ありがたいことだった。日英の友好関係がさらに深まることを願っている。

 ―オックスフォード大留学時のエピソードは。英王室との思い出は。

 昭和58年6月~60年10月までの2年4カ月間滞在したが、著書「テムズとともに」にも書いたように、一口では表現できない数々の経験を積み、さまざまな人と出会った。私の研究テーマは18世紀におけるテムズ川の水運の歴史についてだが、今でも研究論文を読み直すと、テムズとともに過ごした日々の記憶がありありとよみがえる。

 留学中は、王室の方々からさまざまな心遣いをいただいた。英国到着の翌々日、バッキンガム宮殿でのお茶に招待され、女王自身で紅茶を入れてくださり、くつろいだ雰囲気の中で楽しいひとときを過ごした。翌年、女王の招待でバルモラル城を訪れ、フィリップ殿下をはじめ王室の方々と数日間ご一緒した。滞在中、女王が車を運転し、敷地内の建物でバーベキューに招待され、フィリップ殿下が自ら操る馬車で敷地内を案内してくれた。当時のチャールズ皇太子とは川でフライフィッシングを一緒にした。初めての経験だったが、二人とも収穫はなかった。

 英王室に家族の一員のような心温まるおもてなしをいただいたことを懐かしく思い出す。長年皇室と王室が培ってきた温かい交流の歴史のおかげと深く感謝している。

 雅子も昭和63年~平成2年に当時勤めていた外務省の研修生としてオックスフォード大に留学し、大学院で国際関係論を学んだ。今回初めて雅子と一緒にオックスフォードの市内を散策することを心待ちにしている。

 ―日英は先の大戦で敵対したが、戦後、皇室と英王室は親密な関係を築いた。昭和天皇と香淳皇后、上皇ご夫妻から聞かれている話は。陛下の役割、次世代への期待について。

 先の大戦では、世界各国で多くの尊い命が失われ、大変痛ましく思う。日英が不幸にも戦火を交えることになったことは誠に残念だ。私と雅子は戦後生まれで戦争を体験していないが、亡くなった方々や苦しく悲しい思いをされた方々のことを忘れずに、過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないか。

 上皇、上皇后両陛下からは、戦時中の体験の話など、平和を大切にするお気持ちを伺う機会が幾度もあり、私もしっかり受け継ぎたい。 

[時事通信社]

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