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親になれず抱くうらやみ=原告男性、67年間悔しさ胸に―強制不妊訴訟、7月3日最高裁判決

時事通信 / 2024年6月24日 14時12分

 待ち望んだ勝訴判決は得られるのか。旧優生保護法に基づく不妊手術を強いられた東京都の原告北三郎さん(仮名、81)は67年間、悔しさを胸に生きてきた。公園で遊ぶ子どもの姿を目にするたびに「親がうらやましい。元の体に戻りたい」との思いが込み上げる。人生を懸けた闘いの結末は7月3日、最高裁大法廷で明らかになる。

 最近、眠れない夜が続いている。同日言い渡しの判決について考えると心配になるためだ。二審東京高裁では国の賠償責任を認める逆転勝訴となったものの、最終結果に確信が持てない。「今まで苦しんできた。被害者を救う判決を出してほしい」と語る口調は熱を帯びる。

 1957年に仙台市内の病院で行われた手術で子どもを望めない体になった。72年に結婚したが、妻に手術の事実は告げられなかった。これまで最もつらかったのは、妻の実家で「なぜ子どもができないのか」と問われたこと。「過去にかかった病気のせいではないか」とうそをついた。2013年、妻が亡くなる直前になって「隠していて悪かった」と告白し、謝罪した。

 提訴から既に6年。一審で手術の事実を証言するために法廷に立ち、「裁判頑張って」と励まし続けてくれた実姉も今年4月に他界した。自分のことを分かってくれる家族はもういないと感じている。

 「弁護士の先生方をはじめ多くの人たちの応援があったから訴訟を続けられた」と振り返り、国に対しては「同じ人間と思うなら手術しなかったはずだ。謝ってほしい」と憤りを隠さない。

 最高裁判決に向け、「亡くなった妻や姉、両親に勝ったと報告したい。残りの人生、無念の思いで暮らしたくない」と力を込めた。 

[時事通信社]

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