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ワグネル解体後も受刑者動員=国防省は人事刷新―プリゴジン氏の反乱1年・ロシア

時事通信 / 2024年6月24日 14時58分

 ウクライナ侵攻を続けるロシアで民間軍事会社「ワグネル」が武装蜂起して、23日で1年が過ぎた。反乱は1日で収束し、創設者プリゴジン氏は2カ月後の昨年8月、搭乗するジェット機が墜落し死亡。これを機にワグネル解体が進んだが、受刑者を事実上動員する手法は軍に引き継がれた。一方、反乱で威信が揺らいだ国防省では人事刷新が進められている。

 ◇容疑者も「志願兵」に

 ロシア紙コメルサント(電子版)は22日、ウクライナに「志願兵」として送り込むため、受刑者に加え起訴前の容疑者や公判中の被告の採用も組織的に始まったと伝えた。東部ドネツク州などで猛攻を続けるロシア軍が、兵員を補充できなくなった可能性がある。

 プーチン政権は2022年秋、部分動員令に基づき予備役30万人を招集したが、国内で停戦論がくすぶり、戦争の長期化で予備役の妻らによる事実上の反戦運動も起きた。プーチン大統領は、前線で優勢にあるため追加動員は「不要」と説明している。

 ◇900万円の命

 受刑者に恩赦や報酬を約束して戦地へ送る仕組みは、ワグネルで知られるようになった。政権関係者も運用に関与したといわれ、その一人が5月に第1副首相から国防相に就任したベロウソフ氏と伝えられる。

 ベロウソフ氏は保守派の経済学者。13~20年の大統領補佐官(経済担当)時代がワグネル創設期と重なり、プリゴジン氏とも直接協議する間柄だったという。

 プーチン氏は反乱後、ワグネル運営費の「全額を国家が賄っていた」と認めた。英BBC放送などの調査報道によると、昨年5月の制圧まで1年近くに及んだドネツク州バフムトの戦いで主体となったワグネルは、受刑者を中心に約2万人が戦死。1人当たりの遺族補償一時金は500万ルーブル(約900万円)で、支払いは巨額に上った。

 ◇ショイグ時代の清算

 今年5月の通算5期目の政権スタートに伴う国防省人事は、影響力を落としたショイグ前国防相の退任や収賄容疑での高官拘束に及んだ。複数いる国防次官の一人には今月、プーチン氏のいとこの娘が就任した。

 「プーチン氏のシェフ」と呼ばれたプリゴジン氏は生前、SNSなどを通じショイグ氏を糾弾していた。国防省幹部の刷新は長期化の弊害が指摘された「ショイグ時代」の清算が進んだ格好で、ワグネルによる批判と反乱が引き金となったという見方が強い。

 プリゴジン氏の死には「粛清説」も流れるが、ワグネルにつながる高官が必ずしも一掃されたわけではなく、ベロウソフ氏のように「昇進」した例は他にもある。プリゴジン氏と親しかった連邦警護局(FSO)出身のジュミン大統領補佐官は5月、要職の「国家評議会」書記に任命された。 

[時事通信社]

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