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懸念消えぬ機体、演習参加へ=日米オスプレイ、7月九州飛行―墜落事故後初・防衛省

時事通信 / 2024年6月25日 14時19分

 7月下旬に九州・沖縄で実施される陸上自衛隊と米海兵隊の最大規模の実動演習「レゾリュート・ドラゴン」に、日米の輸送機オスプレイが計10機程度、参加する計画が進められていることが、防衛省への取材で分かった。

 オスプレイは昨年11月、鹿児島県・屋久島沖で乗員8人が死亡した事故を受けて、日米で運用停止措置が取られたが、今年3月に解除。段階的に飛行を再開してきた。解除後に海兵隊と陸自のオスプレイが日米共同演習に参加するのは初めて。

 オスプレイを巡っては、安全対策を担う米海軍航空システム司令部(NAVAIR)のトップが「リスクは除去されたわけではない」と米議会で証言。安全性への懸念は解消されていない。

 防衛省などによると、演習は離島防衛を目的に7月28日から始まり、海兵隊から8機、陸自から2機程度のオスプレイが参加。物資輸送のほか、共同飛行も検討されている。九州では日出生台演習場(大分県)などに展開し、米側は岩国基地(山口県)に飛行拠点を設ける。陸自オスプレイは木更津駐屯地(千葉県)から飛来し、高遊原分屯地(熊本県)を拠点にする。

 米国では6月、連邦議会下院の公聴会で、NAVAIRのチェビ司令官らが、不具合発生が19件確認されているオスプレイのクラッチに関し、来年半ばに新型クラッチが実用化される見通しだと説明。「再設計されたクラッチを取得するまでリスクは除去されない」と証言した。

 不具合は「HCE」と呼ばれるオスプレイ特有の現象だ。動力を伝えるクラッチが滑り、再結合時に機体に大きな衝撃が発生して駆動システムを損傷する。2022年に米国で搭乗員5人が死亡した事故の原因になった。

 防衛省によると、屋久島沖事故はHCE以外の原因で起きたとされるが、調査が継続中で詳細は公表されていない。チェビ司令官は同事故を「壊滅的な故障」と表現。「安全に影響を与える問題に十分に対処したと確信するまでは、オスプレイの無制限の飛行復帰は承認しない」と述べ、来年半ばまで飛行が制限される見解を示していた。

 木原稔防衛相は25日の記者会見で、オスプレイの演習参加について「飛行の安全確保が最優先であることは、私とオースティン米国防長官を含む日米間のあらゆるレベルで確認されており、引き続き日米で協力し安全確保に万全を期す」と述べた。 

[時事通信社]

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