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野党主導の国会権限強化法施行=政権反発、機密流出懸念も―台湾

時事通信 / 2024年6月26日 14時18分

 【台北時事】台湾で26日、立法院(国会)の権限強化を目的とした「改正立法院職権行使法」と「改正刑法」が施行された。立法院で多数派を占める野党が共同提出し、強行採決したもので、頼清徳政権と与党・民進党は強く反発。機密情報の中国流出への懸念もあり、司法院大法官会議(憲法裁判所)に違憲審査を申し立て、野党との対立が激化している。

 両改正法は、総統が立法院で政治報告を行う義務や、官僚や企業に対する立法院の調査権拡大、虚偽証言をした官僚に刑罰を科す「国会侮辱罪」の新設などを盛り込む。立法院改革を唱える最大野党・国民党と第3党・民衆党が共同提出し、5月に強行採決の末、可決された。行政院(内閣)は異例の再審議案を立法院に提出したが、今月21日に野党の反対多数で否決され、改正法施行が確定した。

 行政院と民進党議員団は、審議過程や改正内容に違憲の疑いがあるとして、早くから憲法裁に提訴する方針を明言。24日には頼総統も記者会見で「審議過程が社会に強い疑惑を引き起こした上、憲法の権力分立の原則を損なう恐れがある」と提訴の意向を表明した。公務員や政府の各部署の不正を調査する監察院も25日、調査権の妨害を訴え提訴する方針を発表した。

 政権と民進党が違憲審査まで求める背景には、台湾が自主開発した潜水艦や半導体に関する機密情報が、親中的な野党を通じ中国に漏れやすくなりかねないとの懸念もある。また、憲法裁の大法官全員が民進党の蔡英文前政権時に指名されていることから、違憲判断が下されることへの期待がある。これに対し国民党からは「政治化された司法制度は意味がない」(同党立法委員)と反発する声が上がっている。 

[時事通信社]

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