トランプ氏、経済・移民で攻勢=バイデン氏「重罪犯」と反撃―大統領選討論会、4年越し論戦・米
時事通信 / 2024年6月28日 13時4分
【ワシントン時事】11月の米大統領選に向け、バイデン大統領(81)とトランプ前大統領(78)による第1回テレビ討論会が27日夜(日本時間28日午前)、ジョージア州アトランタで開かれた。2020年大統領選を戦った2人の直接対決は4年ぶり。トランプ氏が序盤から経済や移民問題で攻め込んだ一方、バイデン氏は大統領経験者として初めて有罪評決を受けたトランプ氏を「重罪犯」と呼び、反撃した。
論戦は経済政策からスタートし、トランプ氏は「インフレが米国を殺しつつある」と糾弾。移民政策では、不法移民の増加により「国境は世界で最も危険な場所となった」と断じた。バイデン政権が決定した米軍のアフガニスタン撤退についても「米史上最も恥ずべき瞬間だった」と畳み掛けた。
守勢のバイデン氏は、人工妊娠中絶の合憲性を否定した連邦最高裁判決はトランプ氏が招いたと非難。同氏が不倫口止め料不正処理事件で有罪評決を受けたことや、20年大統領選の敗北を認めない態度を取り上げ、「負け犬」「泣き言ばかり」と応酬した。
「史上最高齢対決」は、両氏が2期目に耐え得る体力と明晰(めいせき)さを示せるかが焦点となった。特にバイデン氏にとっては高齢不安の払拭が最大の課題だったが、せき払いや声の弱々しさが目立ち「苦戦」(米メディア)と評された。CNNによるとここ数日、風邪を引いていたという。民主党議員からは「反論不足」の声も上がった。
トランプ氏は、過去に批判された発言妨害などの行為は控え、終始落ち着いた態度を保った。ただ、2021年1月6日に連邦議会を襲撃した自身の支持者を「平和的愛国者」と呼び、今年の大統領選の結果を受け入れるかどうかについても「公正なら」と留保。こうした姿勢が無党派層に受け入れられるかどうかは不透明だ。
2人は20年にも2度、討論会に臨み、今回が3回目の勝負。トランプ氏がバイデン氏に早期開催を申し入れ、CNNテレビが主催した。過去の討論会は慣例で各党候補が正式指名を受けた後の秋に行われてきたため、6月の開催は史上最も早い。有罪評決を受けた人物が演台に立つのは前代未聞。第2回はABCテレビ主催で9月10日に実施される。
[時事通信社]
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