与党と左派、候補一本化へ=「極右内閣」誕生阻止で―仏総選挙
時事通信 / 2024年7月1日 17時25分
【パリ時事】6月30日に行われたフランス国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票で、マクロン政権批判を展開する極右野党・国民連合(RN)は最多の票を獲得した。第2次大戦後の同国では初の極右内閣誕生に一歩近づいた形だ。移民排斥や治安改善の公約が躍進につながった半面、戦前の人種差別の影を引きずるRNへの警戒感は根強い。中道与党と左派野党は「極右阻止」に向け、7日の決選投票での候補一本化を急ぐ。
「極右はわれわれの価値を無に帰し、国を弱め、人々を不幸にする」。与党連合の陣頭指揮を執るアタル首相は30日、第1回投票の結果を受け、下院をRNに支配させてはならないと訴えた。
左派連合の最大政党「不屈のフランス」を取り仕切るメランション氏も30日、政権との対決姿勢をトーンダウン。「RNの勝利を許さないのがわれわれの行動原理だ」と強調し、マクロン氏との事実上の共闘を表明するに至った。
RNを軸とする極右勢の最終的な予想獲得議席は最大300程度。与党と左派は決選投票に3位以下の順位で進出する候補に辞退を求め、双方の票を各選挙区で1人の候補に集中。極右の議席を一つでも減らし、過半数(289)に届かないよう全力を挙げる。
もっとも、有権者が思惑通りに動いてくれる保証はない。パリ南郊の投票所で30日に取材に応じた市民の中には、第1回投票で支持した候補が決選投票に残らない場合、「白票を投じる」と話す人も多かった。選挙協力の成否は不透明だ。
RNは、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に加担した仏ビシー政権の元関係者らが結党に関わった「国民戦線」が前身。それでも近年は「脱悪魔化」と呼ばれる穏健化戦略を進めたほか、2018年に現在の党名に改めた結果、国民のアレルギー反応は小さくなっている。
ただ、強権的な主張は現在も存続。有権者の間では、権力掌握後、社会的弱者・少数者に「何をするか分からない怖さ」(女性)があるとの声も上がる。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1中国「嘘や偽情報ばかり」と反発 アメリカの“信教の自由に関する報告書で中国非難”に
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月1日 17時47分
-
2極右が最多得票、過半数迫る=与党大敗へ―仏総選挙・第1回投票
時事通信 / 2024年7月1日 8時43分
-
3SNSの反日的投稿、中国IT大手が規制 日本人切りつけ事件めぐり
日テレNEWS NNN / 2024年7月1日 11時53分
-
4アングル:バイデン氏の「大失敗」討論会、背後に側近らの判断ミス
ロイター / 2024年7月1日 13時13分
-
5中国、「反分裂法」違反などで台湾人15人拘束 最高刑は死刑の指針で台湾警戒
産経ニュース / 2024年7月1日 13時14分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)