石化事業、再編の動き=設備集約へ、中国の増産で―化学大手
時事通信 / 2024年7月2日 15時41分
化学メーカー大手が、プラスチックやゴムの原料を生産する石油化学事業の再編に動いている。少子化による内需の不振に加え、石化製品の国産化にかじを切った中国の増産で市況が低迷したからだ。国内外ともに需要の減少が見込まれる中、石化コンビナートの中核であるエチレン生産設備の集約に向けたメーカー同士の連携などが進んでいる。
石油化学工業協会によると、国内のエチレン生産設備の稼働率は、好不況の目安とされる90%を2022年8月から22カ月連続で下回る。過剰設備を抱える石化事業が各社の収益を圧迫する中、生産体制の適正化は喫緊の課題だ。
大分市にエチレン設備を持つレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)は24年2月、石化事業を分離・上場させる方針を打ち出した。24年中に詳細を公表するという。三井化学は3月、千葉県の京葉工業地区で出光興産と共同運営する生産設備2基について、27年度をめどに出光側の設備を停止し、三井化に集約する検討を開始すると発表した。
三菱ケミカルと旭化成、三井化の3社は5月、岡山県の水島地区と大阪府高石市でそれぞれ運営する生産設備について、生産適正化を見据えた協業を発表。脱炭素化を含めた具体的な方策を共同で検討している。三菱ケミカルの親会社である三菱ケミカルグループの筑本学社長は「基礎化学品を扱うメーカーが同じ方向を向いている」と強調する。
再編の動きは以前もあった。三菱ケミカルは14年に茨城県のエチレン設備1基を停止し、16年には旭化成と岡山県での設備を一体化した。住友化学は15年に千葉県市原市の設備を停止した。
中国の生産増強などで今回再編の機運が改めて盛り上がった格好だ。三井化の伊沢一雅専務執行役員は「中国の影響が一番大きい。一過性の問題ではなく、他社との連携が必要だ」と話す。
みずほ銀行産業調査部は「グローバル全体で、中国が化学品を大量に輸入するという産業構造が転換する時期で、輸出前提のビジネスモデルを見直す必要が出ている」と指摘している。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
鉱工業生産5月は前月比+2.8%、自動車増産で2カ月ぶりプラス=経産省
ロイター / 2024年6月28日 10時12分
-
旭化成が「腎疾患薬1700億円買収」で見出す勝機 医薬品事業は大手不在のニッチ領域に絞り込む
東洋経済オンライン / 2024年6月19日 8時50分
-
大阪・関西万博に協賛、公式ポスター用紙として「ユポグリーンシリーズ」を提供
PR TIMES / 2024年6月17日 17時15分
-
半導体フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス(TM)」の生産能力増強
PR TIMES / 2024年6月15日 21時40分
-
Symbiobeと出光興産、紅色光合成細菌を利用した温室効果ガス固定プラント事業の協業と実証設備導入における戦略的パートナーシップを締結
PR TIMES / 2024年6月5日 17時45分
ランキング
-
1バナナ・パイン・マンゴーが… 軒並み値上がりの“ワケ” 試す人が増えている国産バナナとは…!【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月3日 21時19分
-
2ローソン、7月24日上場廃止 KDDIとポイント経済圏の拡大などを目指す
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月3日 17時46分
-
3NHKが34年ぶりの「赤字」でも止まらない肥大化 総資産の6割超を現預金と有価証券が占めている
東洋経済オンライン / 2024年7月4日 8時0分
-
4子供いない夫婦「相続で失敗しない」1つの方法 家庭裁判所で「調停」が必要になるケースもある
東洋経済オンライン / 2024年7月4日 8時20分
-
5LCCピーチの「運賃プラン」刷新へ! これまでより良くなる?それとも… 「より分かりやすく」がテーマ
乗りものニュース / 2024年7月3日 18時22分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)