決選投票、支持者の説得焦点=与党と左派の共闘で―仏総選挙
時事通信 / 2024年7月3日 18時47分
【パリ時事】7日に決選投票が行われるフランス国民議会(下院、定数577)選挙で、マクロン大統領を支える中道与党と、対立してきた左派野党は2日、反移民などを掲げる極右野党・国民連合(RN)の過半数獲得を阻止するため候補の一本化に踏み切った。「歴史的投票」(仏メディア)まで残り5日での幅広い共闘。RNの勢いを土壇場で止められるか否かは、与党と左派による支持者の説得いかんだ。
ルモンド紙の暫定集計では、与党と左派は決選投票で極右との三つどもえが予想された約180選挙区で候補を一本化し、票の分散を回避。他の約30選挙区でも左派が出馬を辞退し、極右候補が当選しにくくする。
共闘には前例がある。代表的なのが2002年の大統領選だ。RNの前身「国民戦線」のジャンマリ・ルペン初代党首が決選投票に駒を進めると、国内は「反極右」一色となった。一騎打ちを演じたシラク大統領(当時)の得票率は、第1回投票の19.9%から決選投票の82.2%へと60ポイント余り上昇。党派を超えた勢力の結集が短期間で実現した。
17年と22年の大統領選ではマクロン氏と、ルペン氏の三女マリーヌ氏が対決。17年は決選投票でのマクロン氏の得票率が第1回投票から40ポイント超、22年も約30ポイント上向いた。
もっとも、総選挙と大統領選は別物。総選挙は選挙区ごとに候補者が異なり、勝敗が地域それぞれの事情に左右されやすい。与党内には左派との協力に異論がくすぶる。定年延長の年金改革など、国民に不人気の政策を強行したマクロン氏に対する左派の反感の大きさも、全国民的な「極右包囲網」を難しくしている。支持者らを説き伏せるのは容易でなさそうだ。
パリ郊外に住む公務員クレール・トナンさん(57)は熱心な左派支持者。地元選挙区は期待の候補が決選投票に進出したため問題ないが、仮に与党の候補が残っていたら、「誰に投票すべきか、ものすごく悩むと思う」と話した。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
マクロン氏の「賭け」にフランスの新聞「すべて間違いと証明」…極右系RNの「脱悪魔化」路線、現状不満を吸収か
読売新聞 / 2024年7月2日 6時40分
-
フランス極右、下院選第1回投票で初の首位 決選投票で過半数獲得が焦点に
産経ニュース / 2024年7月1日 20時19分
-
ルペン氏の極右が首位、仏下院選第1回投票 マクロン氏に打撃
ロイター / 2024年7月1日 16時59分
-
極右が最多得票、過半数迫る=与党大敗へ―仏総選挙・第1回投票
時事通信 / 2024年7月1日 8時43分
-
仏で極右躍進、マクロン氏「解散総選挙」は無謀か 7月26日のパリ五輪開幕を控える中で重大決断
東洋経済オンライン / 2024年6月13日 8時30分
ランキング
-
1ニシキヘビが女性丸のみ、腹から遺体発見 インドネシア
AFPBB News / 2024年7月3日 17時59分
-
2ハリス副大統領が最有力候補、バイデン氏選挙戦から撤退なら=関係筋
ロイター / 2024年7月4日 0時8分
-
3米民主党の下院議員、バイデン氏に大統領選からの撤退を要求 党内で進退巡り意見分裂
産経ニュース / 2024年7月3日 17時20分
-
4英総選挙きょう投開票、「穏健」労働党が大勝見込み…スターマー党首が左派色改め現実路線へ回帰
読売新聞 / 2024年7月4日 9時46分
-
5NATO、ウクライナ軍事支援で合意 来年400億ユーロ=外交筋
ロイター / 2024年7月4日 0時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください