シアトルの「サダコ像」、盗まれる＝広島「原爆の子」モデル―米

　米西部ワシントン州シアトル市郊外の公園「ピースパーク」で、世界平和を願って１９９０年に建立された銅像「サダコ像」が何者かに盗まれた。地元メディアが１４日報じた。広島市の「原爆の子の像」をモデルにした像は足首で切断され、上が持ち去られていた。

　シアトル・タイムズ紙によると、１２日朝に像がなくなっていることが分かり、市が警察に届け出た。施設担当者は「ショックで泣きたい気持ちだ。サダコには何の罪もない」と話し、犯人に返還を求めた。ニューヨーク・タイムズ紙は、犯行が政治的目的ではなく、銅を狙った金銭的動機の可能性が高いとする専門家の意見を伝えている。

　像のモデルとなった佐々木禎子さんは２歳のときに広島で被爆し、１２歳で白血病のため死去した。亡くなるまで千羽鶴を折り続けた禎子さんは、世界中で平和の象徴となっている。　

［時事通信社］