13年の「恩返し」誓う=福島帰還のサッカーエリート―大震災で静岡移転・パリ五輪
時事通信 / 2024年7月16日 14時49分
パリ五輪サッカー日本代表には、今春、13年ぶりに福島県での活動を全面再開した「JFAアカデミー福島」出身選手が、バックアップメンバーを含め8人選ばれた。東日本大震災で拠点を移していた静岡県での練習を支えた「時之栖」(同県御殿場市)社長の庄司政史さん(59)は「巣立った選手が出場するのはうれしい」とほほ笑む。
JFAアカデミー福島は中高生を対象にした日本サッカー協会のエリート選手養成機関。2006年に開校し、福島県の施設「Jヴィレッジ」を拠点に、U17ワールドカップなどに出場する若手を育てていたが、11年3月11日、大震災に見舞われ、移転を余儀なくされた。
時之栖に協会からアカデミー生125人の受け入れの打診があったのは、大地震の約1週間後。総合レジャー施設を運営する同社はサッカー場を複数所有し、日本代表も合宿先として利用するなど、協会と交流があった。
「受け入れよう」。庄司さんによると、当時の社長は、他人の苦しみや困難を見て、自然と心が痛む感情を指す言葉「惻隠(そくいん)の情」を口にし、即決した。
当時専務だった庄司さんは地元自治体や協会などと調整を重ね、衣食住の確保や学校の編入手続きなどをフォロー。アカデミー生は同年3月末に静岡県に移ってきたが、中学の入学式には、学校OBが制服やかばんを用立てて間に合わせたという。「安心して住んでもらいたい一心だった」と庄司さんは振り返る。
時之栖の施設は主に、男子寮や練習場所として使用された。アカデミー入校式や卒校式の会場にもなり、受け入れから約13年間で二百数十人のアカデミー生が青春を過ごした。
パリ五輪に出場するなでしこジャパンの北川ひかる選手(27)はアカデミー5期生で、時之栖のグラウンドで練習した一人。静岡県で成人式に出席したといい、「お世話になった場所。(パリでは)恩返しできるようなプレーをしたい」と意気込む。
庄司さんは「アカデミーが福島に戻ったことには、正直寂しさもある。だが、ここにいた選手はわれわれにとって仲間。パリでも活躍してほしい」とエールを送った。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
パリ五輪サッカー代表・三戸舜介、JFAアカデミー先輩・植中と共闘心待ち「一緒にいられるのはうれしい」
スポニチアネックス / 2024年7月19日 20時29分
-
なでしこJ戦士の「恐るべきコミュ力」 ホテルで遊んだ相手に驚き「溶け込んでる…」
THE ANSWER / 2024年7月19日 19時33分
-
パリ五輪サッカー代表 バックアップメンバーにMF植中朝日を追加招集「チームのために全力を」
スポニチアネックス / 2024年7月19日 1時43分
-
津波・原発事故に翻弄された「ホキコバ」ペア、初のオリンピックへ…「震災が僕らを強くした」
読売新聞 / 2024年7月16日 14時30分
-
なでしこ10代コンビ 古賀塔子&谷川萌々子がパリ五輪へ決意新た 昨年W杯練習生から“昇格”
スポニチアネックス / 2024年7月9日 17時11分
ランキング
-
1急増の外国人観光客に人気の公道カート 事故や苦情が増加 安全対策強化求める声も
産経ニュース / 2024年7月20日 20時30分
-
2足立の花火、打ち上げ直前に中止 雷雨の見込みで 東京・荒川
毎日新聞 / 2024年7月20日 20時31分
-
3市販薬の乱用、年間65万人 10代、50代の割合多く
共同通信 / 2024年7月20日 18時32分
-
4都内のコロナ患者数が10週連続で増加、5月の連休明けから増え始め…手足口病の感染も拡大
読売新聞 / 2024年7月20日 14時40分
-
5「しつけのため暴行」内縁の夫が母親に説明 愛知7歳女児死亡
日テレNEWS NNN / 2024年7月20日 18時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)