親魚増加で漁獲枠拡大=マグロ資源、気候変動に懸念
時事通信 / 2024年7月16日 20時28分
太平洋クロマグロ(本マグロ)の漁獲枠を2025年から増やすことで関係漁業国・地域が基本合意した。過去の漁獲規制が奏功し、卵を産む親魚の資源量が回復してきたためだ。ただ、地球温暖化で海洋環境は変化しており、気候変動の影響が資源管理の新たなリスクに浮上している。
太平洋海域に生息する親魚の資源量(推定値)は、1995年には約7万9000トンだったが、10年には過去最低水準となる約1万2000トンに減少。15年から本格的な漁獲規制が始まり、22年には約14万4000トンまで増加した。
日本は今回の国際会議で「資源が急激に回復する一方、漁獲上限が据え置きとなっており、漁獲する機会を失っている」(坂本哲志農林水産相)として、大型魚(30キロ以上)の漁獲枠を2.31倍とするよう提案した。交渉の結果、1.5倍で基本合意したが、漁獲規制で資源量が増えれば漁獲枠が増えることを示した。
ただ、今後も資源量が回復傾向を維持できるか不透明感も残る。気候変動の影響とみられる資源量の変動が他の魚種では目立ち始めているからだ。日本のサンマとスルメイカ、サケ類の3魚種の漁獲量を見ると、14年の約55万トンから22年には約14万トンへと、8年間で4分の1に減少した。全魚種でもこの間、約371万トンから約295万トンへ2割減っている。
日本近海の平均海面水温は上昇傾向で、23年までの100年間で1.28度上昇。海水温が急激に上がる「海洋熱波」の発生頻度も大幅に増えている。海洋環境の変化による魚への影響には未解明の部分があり、太平洋クロマグロの資源量や回遊パターンにも変化を及ぼす可能性がある。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
日本の大型クロマグロ漁獲枠50%増、30kg未満は10%増…国際会議で合意
読売新聞 / 2024年7月16日 19時22分
-
太平洋クロマグロ 漁獲枠1.5倍で合意 資源量は2010年から10倍以上に回復
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月16日 17時29分
-
大型マグロ漁獲枠、1.5倍に 資源回復受け、国際会議で合意
共同通信 / 2024年7月16日 13時39分
-
『クロマグロ』が安く買える日が来るかも!?近年は資源量が増加傾向 一方で専門家の"推し"は「知名度は低い」がお手ごろな『ミナミマグロ』
MBSニュース / 2024年7月12日 13時48分
-
「美味しくてとろけます」マグロの王様が安くなるかも? クロマグロ漁獲枠拡大なるか【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月11日 20時50分
ランキング
-
1鍵握る維新対応、狭まる「斎藤知事降ろし」包囲網 第三者機関の結論焦点に
産経ニュース / 2024年7月16日 20時24分
-
2高齢親の死体遺棄事件、全国で相次ぐ 背景に8050、9060問題か
毎日新聞 / 2024年7月16日 6時0分
-
3高速バスが国道の左カーブで道路逸脱 病院搬送された乗客5人は全員意識あり 北海道滝上町
HTB北海道ニュース / 2024年7月16日 23時42分
-
4知ってる人だけ得をする。「楽天ポイント」の“お得すぎる利用方法”
日刊SPA! / 2024年7月15日 15時52分
-
5「石丸伸二を支持する人」の熱が冷めてきた事情 小泉純・橋下両氏に並ぶ「SNS時代」のトリックスター
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 8時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください