アメリカンドリーム象徴=39歳、反トランプから「忠臣」へ―バンス氏、したたかな一面
時事通信 / 2024年7月18日 14時59分
【ミルウォーキー時事】米共和党の副大統領候補の指名受諾演説を17日に行ったバンス上院議員は、中西部オハイオ州の貧困家庭に育ち、政界進出からわずか1年半で華々しい出世を果たした。「最強のアメリカンドリーム」(ウーシャ夫人)を体現した39歳は、時流に合わせ主義主張を変えてきたしたたかさも併せ持つ。
「今夜ここに立つとは想像もしなかった」。ウーシャ夫人に紹介され登壇したバンス氏は胸に手を当て、感慨深げに語った。
故郷のオハイオ州ミドルタウンを「ワシントンの支配階級に見捨てられた町」と呼ぶバンス氏。薬物依存に苦しむ母に代わり、厳格な祖母が人生の羅針盤となった。白人労働者の悲哀を描く自叙伝「ヒルビリー・エレジー」は、2016年大統領選の「トランプ旋風」の解説書ともてはやされた。だが本人は当時、トランプ氏を「有害で、白人労働者を暗い場所へ導く」と非難していた。
トランプ氏との初顔合わせは21年2月。翌年の上院議員選を目指すバンス氏にトランプ氏の長男ジュニア氏が目を付け、引き合わせた。「君は私に随分ひどいことを言ったな」。警戒感を抱くトランプ氏にバンス氏は、「メディアのうそを信じてしまった」と謝罪。トランプ氏は自身の岩盤支持層を象徴し、若く弁も立つバンス氏を気に入った。
初当選を果たすと、トランプ派の若手筆頭格に台頭。トランプ氏の過激な発言が批判されるたび、積極的にメディア出演して擁護した。17日の演説では、グローバリゼーションがもたらした雇用流出への憎しみもにじませ、「復讐(ふくしゅう)」をテーマに掲げるトランプ氏と歩調を合わせた。
バンス氏の起用を共和党支持層は歓迎する。党大会に出席した退役軍人のヤング・メイベリーさん(70)は「草の根を代表する人選だ」と話し、団体職員クリスティー・スレイプさん(51)も「彼は保守の闘士」と支持した。
一方、民主党は、トランプ氏とバンス氏のコンビは強権志向だと攻撃を強めている。対決相手となるハリス副大統領はバンス氏をトランプ氏の「イエスマン」と断じた。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
米副大統領候補バンス氏は過激な発言いとわず、投資家・作家として活躍…貧困層から駆け上がった成功体験をトランプ氏評価か
読売新聞 / 2024年7月19日 6時50分
-
トランプのコア支持層MAGAに亀裂?副大統領候補バンスのインド系妻が許せないと差別発言が炸裂
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月18日 18時51分
-
バンス氏「中国の脅威」訴え=中西部の労働者集結狙う―米共和副大統領候補・受諾演説
時事通信 / 2024年7月18日 16時12分
-
共和党の米副大統領候補 J・D・バンス上院議員とは何者か? 反トランプから「伴走者」へ華麗なる転身
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月18日 9時26分
-
「ラストベルト」の白人象徴=副大統領候補のバンス氏―米大統領選
時事通信 / 2024年7月16日 6時15分
ランキング
-
1盟友ペロシ氏、バイデン氏に選挙戦継続への懸念伝達…党内では撤退論封じ込め狙い「早期指名」計画も
読売新聞 / 2024年7月19日 2時17分
-
2「13日に注目」投稿か 銃撃のクルックス容疑者
共同通信 / 2024年7月18日 22時43分
-
3中国経済にトランプショック再び!? 「中国車の輸入阻止」綱領採択、バンス氏との強硬シナリオ 「60%の関税、本気で仕掛ける可能性」
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月19日 6時30分
-
4バイデン氏、大統領選撤退「真剣に検討」 時間の問題か=関係筋
ロイター / 2024年7月19日 8時28分
-
5韓国軍、再び拡声器放送=北朝鮮の汚物風船に対抗
時事通信 / 2024年7月19日 10時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください