ガザ市民用の病院建設阻止＝国防相の決定撤回命令―イスラエル首相

　【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は１８日、ガラント国防相が先に決定したパレスチナ自治区ガザの子供のための病院建設の撤回を命じた。複数の当局者の話として、ＡＦＰ通信が報じた。ネタニヤフ氏を巡っては、イスラム組織ハマスとの停戦交渉などに関し閣僚と意見の相違があるとも伝えられており、ＡＦＰは病院建設撤回命令が「連立与党内の新たな亀裂を示している」と伝えている。

　ガラント氏は今週、ガザの病気の子供たちのための「仮設病院」をイスラエル国内に建設する計画を発表。報道によれば、ガザとの境界近くに建て、パレスチナで十分な治療を受けられないがんや糖尿病などを患う子供を受け入れる。ガラント氏がオースティン米国防長官と電話会談した際にも、この件について話し合ったという。

　ところが、イスラエル首相府は１８日に突然、ネタニヤフ氏が「ガザ住民のための病院建設を認めない」と決めたと発表した。当局者の一人は、ＡＦＰに「首相は政治的理由で（ガラント氏の）決定を撤回した。人道的な解決策を阻止した」と語った。　

［時事通信社］