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夏祭り花火、中止後絶たず=人件費増、燃えかすに苦情―コロナ前への回帰困難

時事通信 / 2024年7月28日 14時40分

 夏祭りシーズンが本格化する中、祭りを彩る花火大会の中止が後を絶たない。物価上昇による人件費増加や花火の燃えかすへの苦情などが背景にある。新型コロナウイルス流行を機に夏祭りは中止や規模縮小を迫られたが、コロナ禍前の風景に戻るのは難しそうだ。

 埼玉県の「狭山市入間川七夕まつり」(8月3、4日)は2020年以降、コロナ流行などに伴い中止や縮小が続いた。昨年、コロナ禍前と同様に花火を打ち上げる形で再開したところ、多くの来場者が河川敷に集まり道路も大混雑した。

 今年は来場者の安全確保に向け警備強化を検討したが、警備員の人件費増などの問題が浮上。また昨年の祭りでは、空から落ちてくる花火の燃えかすで住宅の屋根やソーラーパネルが汚れるなどの苦情が約30件寄せられた。

 こうした事態を受けて実行委員会は、今年は花火を取りやめることを決断。担当者は「新たな飛散防止対策と地域住民の理解が必要だ」と話す。

 徳島県の「鳴門市納涼花火大会」は今年、燃えかすが原因で中止を余儀なくされた。4年ぶりに開催された昨年8月、花火打ち上げ後に燃えかすによる車の変色などへの懸念が実行委に寄せられたためだ。実行委は、花火の打ち上げ規模を小さくするなどして来年の花火大会再開を目指す。

 岐阜県笠松町の「笠松川まつり」は船上から打ち上げる花火が目玉の一つだったが、20年から中止のままだ。この4年間に花火の原材料費や人件費の高騰もあり、今年は8月17日にシャボン玉や音楽、光の融合が楽しめる催しを行うことにした。実行委の今井雄基さん(28)は「花火に伴う問題に左右されない催しを考えた。新感覚でぜひ楽しんで」と話す。

 一方、福岡県那珂川市の「なかがわ市民の祭り」(8月24日)は5年ぶりの開催にこぎ着け、花火打ち上げも復活させる。例年1200万~1400万円の開催費は約1700万円に膨れたが、市の補助金や企業協賛金などで賄う。実行委副会長の岩本凌さん(27)は「来場客の思い出に残るお祭りにしたい」と力を込める。 

[時事通信社]

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