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政権交代へ高まる期待=大統領選の投票開始―ベネズエラ

時事通信 / 2024年7月28日 19時23分

 【カラカス時事】南米ベネズエラの大統領選は28日、投票が始まった。同日午後6時(日本時間29日午前7時)に締め切られ、即日開票される。経済と政治の混乱が収まらない中、政権継続の是非が最大の焦点。3選を目指すニコラス・マドゥロ大統領(61)の支持は伸びず、野党連合の元外交官エドムンド・ゴンサレス氏(74)が優勢。首都カラカスでは、チャベス前大統領から25年続く左派政権を見限り、政権交代に期待する声が聞かれた。

 テレビドラマの制作に携わるエルナンド・ファリアさん(69)は27日、「民主主義を取り戻さなければならない」と訴えた。以前勤めた民放は放送内容が政権に批判的と受け止められ、チャベス政権時の2007年に放送免許が更新されず、閉鎖に追い込まれた。今は別のテレビ局で仕事を続けている。「裁判所も選管も政権に依存している。これは独裁だ」と強調した。

 3人の子どもを養うデルシ・アンドラデさんは3年前に夫を亡くし、「生活が厳しい」と嘆く。週に3日路上で新鮮な海産物を販売するが、薬などを購入するお金にしかならない。それでも「生き延びるためだ」と説明。「変化のために投票する」と語った。

 街中では、マドゥロ氏への投票を訴える看板が至る場所に掲げられている。テレビが報じるニュースは同氏の動向ばかり。野党関係者の摘発は選挙期間中も後を絶たず、昨年10月に与野党が合意した公正な選挙の実施が危ぶまれる。

 シルビア・マチャドさん(65)は、野党の選挙立会人を申請したが、認められなかったことに憤慨。政権による妨害と感じていると話し、「ベネズエラが自由になるために、この候補者に投票しよう」と、ゴンサレス氏の顔が掲載された紙を指さした。

 27日夜には、投票を待ちきれない人々が列をなす姿がSNS上で拡散された。 

[時事通信社]

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