逮捕報告なし「文民統制で問題」＝木原防衛相、辞任は拒否―衆院委

　衆院安全保障委員会は３０日午前、防衛省・自衛隊で相次ぐ不祥事を受け、閉会中審査を行った。木原稔防衛相は、海上自衛隊の「潜水手当」不正受給に絡む逮捕者の情報が自身に報告されなかったことに関し、「文民統制という観点で非常に問題があった」と認めた。立憲民主党の渡辺周氏への答弁。

　渡辺氏は「戒めとけじめをつける意味で、（辞任を）判断すべきだ」と追及。木原氏は「仕事を放棄することが責任の取り方とは思わない」と拒否した。

　木原氏は「国民の信頼を損なうもので、監督責任も含め深くおわびする」と陳謝。逮捕を公表しなかったことについて「防衛省として隠蔽（いんぺい）する意図はなかった」と釈明した。自民党の黄川田仁志氏への答弁。

　防衛省は１２日に「特定秘密」の不適切管理や手当の不正受給などで計２１８人の処分を発表したが、昨年１１月に警務隊が４人を逮捕していたことは公表しなかった。木原氏が逮捕者の情報を把握したのは、同省が立民会合で明らかにした１８日だった。　

［時事通信社］