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武器は「バタフライのようなキック」=日本のお家芸、平泳ぎで決勝進出―競泳・花車選手〔五輪〕

時事通信 / 2024年7月31日 6時56分

 「バタフライのような平泳ぎ」が特徴的な競泳男子200メートル平泳ぎの花車優選手(24)=イトマン東進=。日本のお家芸とも言われる種目で決勝に挑む。

 香川県出身。小学5年から高校3年まで地元のスイミングクラブで指導した塩崎健太コーチ(39)によると、花車選手はバタフライのように水を蹴る。独特のキックは水中で脚が下がりにくく、推進力を維持しやすいという。

 今では身長180センチを超える花車選手も、出会った当初は小柄で、中学入学時は150センチあるかないか。大会では、体格差で負けることもあった。だが、指導したことを忠実に再現できる感覚の鋭さや繊細さに、塩崎コーチは「いつか世界で戦えるようになる」と確信した。

 ただ筋トレをさせるのではなく、心と体の休養も重視。秋に1カ月ほど、近くの公園でプラスチックのバットで野球をするトレーニングを取り入れるなど、練習にも変化を付けた。

 もともと泳ぎにキレがあった花車選手は高校入学後、筋力が付き始めてからは、その動きとかみ合って、どんどんスピードが出るようになり、平泳ぎだけでなく、メドレーリレーでも全国を制した。塩崎コーチは「『いつか抜いてやる』と、ずっと思っていたのだろう。よく折れずに頑張った」と振り返る。

 高校最後のジュニアオリンピック。100メートル平泳ぎで大会新記録を出し、優勝した花車選手は「コーチ、僕のメダル掛けてもらっていいですか」と言って、金メダルを首に掛けてくれたという。その時に撮った写真は、こんな言葉と共に、花車選手のSNSに投稿されている。「こんな写真を撮りたくてめっちゃ頑張れました」。 

[時事通信社]

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