心身支えた兄と挑んだ連覇=東京女王、敗者復活棄権―素根選手・柔道〔五輪〕
時事通信 / 2024年8月2日 23時45分
連覇の夢は果たせなかった。準々決勝で敗れ、敗者復活戦を棄権した柔道女子78キロ超級、素根輝選手(24)=パーク24。東京五輪以降、けがやプレッシャーに苦しみ、弱音も吐いた。心身共に支えたのは練習パートナーでもある兄勝さん(28)だった。
小学校時代から全国トップクラスだった素根選手。学校や柔道クラブでの練習が終わると、父が自宅につくった練習場で勝さんら兄3人と深夜まで稽古に励んだ。父からは「強くなるには誰よりも努力しないといけない」と口酸っぱく言われた。
体格が似た勝さんとコンビを組んだのは高校2年の時。練習は納得がいくまでやった。乱取り稽古は4分15セットが基本で、さらに追加することも。勝さんは「練習の虫だった」と振り返る。
素根選手が2019年の世界選手権を制し、兄妹で東京五輪を目指していた矢先、開催の1年延期が決まった。勝さんは鍼灸(しんきゅう)師資格を取得するための勉強があり、やむなくコンビを解消。妹の活躍を地元の福岡県で見守った。
会わない日々が続いたが、昨年8月、勝さんが出場した大会会場で偶然再会。妹には、どこか苦しんでいる様子が見て取れた。「できることがあったら言ってね」。そう告げてその場は別れたが、同12月ごろに「なかなか練習に打ち込めない。もう駄目」と相談を受けた。
けがに加え、周りの期待やプレッシャーも感じていた。「追う立場の方が良かった」と吐露することもあった。勝さんは「連覇を狙える選手は少ない。輝にしかできないことだ」と励まし続けた。
勝さんは昨年末から再び妹の練習パートナーとしてそばで支える。柔道整復師や鍼灸師の資格を生かし、身体のケアも手掛ける。「気持ちを上げてくれるありがたい存在」。素根選手はそう感謝している。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
準々決勝で敗れた素根輝、低い担ぎ技で左膝のけがが再発…監督「私の責任」
読売新聞 / 2024年8月3日 1時41分
-
素根輝が敗者復活戦を棄権、古傷の左膝を負傷…「膝曲げる動き怖い」と不安口にしたことも
読売新聞 / 2024年8月2日 23時40分
-
素根輝が敗者復活戦を棄権、膝のけがで万全でなく
読売新聞 / 2024年8月2日 22時28分
-
【柔道】素根輝が準々決勝で敗れ連覇を逃す 銅目指し敗者復活戦へ 斉藤立は4強入り
東スポWEB / 2024年8月2日 20時48分
-
栄光翌日から苦しんだ3年 柔道女子78キロ超級の素根輝、「三倍努力」で最重量級連覇へ
産経ニュース / 2024年8月2日 19時3分
ランキング
-
1<独自>秘書「広瀬めぐみ氏の指示で上納していた」 給与詐取事件、広瀬氏が主導か
産経ニュース / 2024年8月2日 20時52分
-
2川を背にして橋の欄干に座る女子高校生を押す動画も 19歳の女を殺人などの罪で起訴 旭川女子高校生殺害
HTB北海道ニュース / 2024年8月2日 18時58分
-
3敦賀2号機、初の審査不合格へ 規制委が日本原電社長を聴取 早ければ10月にも
産経ニュース / 2024年8月2日 22時31分
-
4路線バスの乗車代80円足りない男児、運転手から威圧的に謝罪強要される…2時間歩いて帰宅
読売新聞 / 2024年8月2日 18時32分
-
5【独自】「計画的な殺人やと思ってます」SNSでのいじめを苦に中3男子が自殺…遺族が市と加害生徒11人を提訴へ
MBSニュース / 2024年8月2日 17時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください