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「脱力系」17歳、つかんだ銀=コーチの支えで集中力磨く―クライミング・安楽選手〔五輪〕

時事通信 / 2024年8月9日 20時55分

 五輪初出場で銀メダルを獲得したスポーツクライミング男子複合の安楽宙斗選手(17)=JSOL。昨年の世界選手権では惜しくも表彰台を逃したが、コーチの支えで心身ともに成長を遂げた。高校3年の新星は難関ルートも最小限の力で切り抜ける「脱力」の登りで、世界と渡り合った。

 父のダイエットの付き添いで、小学2年で近所のジムに通ったのが競技との出合い。指導した勝井武志さん(53)によると、安楽選手は毎日のようにジムに顔を出し、他の生徒を横目にわれ先にと壁を登った。

 「登らないと気が済まない。身体を動かしたいという欲求が人一倍だった」と勝井さん。当時の安楽選手を振り返り、「登り切れず、悔し泣きすることも少なくなかった」と話す。

 安楽選手は幼少の頃から手足が長く、力の抜き方が上手だったという。小5から指導に携わるコーチの田中星司さん(45)も、力の抜き方に目を見張った一人。田中さんによると、体が成長すると筋力に頼りがちになるが、安楽選手は「抜く」と「入れる」を同時に行えた。「脱力系」と呼ばれるゆえんだ。

 千葉県立八千代高校(同県八千代市)への入学前後に頭角を現し、昨年8月には世界選手権に初出場した。3位以内なら五輪出場が決まったが、惜しくも4位。試合後、田中さんに駆け寄り涙を流した。「実力では負けていないよ」。田中さんはそう励ました。

 「周囲の期待や大舞台の雰囲気にのまれた部分があった」と田中さん。以降、磨いたのは「心が揺れ動かないほどの集中力」だ。間近で見たトップ選手の一挙手一投足やたたずまいを思い起こさせ、精神面を鍛えた。筋力トレーニングも功を奏し、安楽選手は昨年秋にパリ行きの切符を手にした。

 競技を離れれば、ミュージシャンのミスターチルドレン好きの「シャイで真面目な普通の高校生」(勝井さん)。弱冠17歳が初の大舞台に挑み、実力を見せつけた。 

[時事通信社]

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