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94歳元少年隊員、慰霊の訪中=「悲惨な思いさせた」―731部隊跡地で黙とう

時事通信 / 2024年8月14日 15時27分

 【ハルビン=中国黒竜江省=時事】中国で細菌兵器の実験などに関わったという日本の関東軍防疫給水部(731部隊)の元少年隊員、清水英男さん(94)=長野県宮田村=が14日までに、戦後初めて黒竜江省ハルビン市郊外の部隊跡地を慰霊訪問した。「本当に悲惨な思いをさせて、忘れられない」。79年ぶりに訪れた現地で犠牲者の冥福を祈り、黙とうした。

 清水さんは14歳だった1945年3月、「見習い技術員」としてハルビンに送られ入隊。勤務内容は一切知らされず、病原菌の基礎知識を学んだり、実験用のネズミから検体を採取したりした。上官に連れられ、捕虜とみられる人体の一部をホルマリン漬けで保存した標本室も見学した。

 「標本室を見ているので、犠牲者の冥福を祈るために来た。現地の隊にいた人でないと気持ちは分からないと思う」。清水さんは14日、ハルビン市内で報道陣の取材に応じ、79年間抱えてきた思いを吐露した。標本室を見た際に受けた衝撃や冥福を祈る思いは「撤退後、ずっと続いている」という。「犠牲になった方々は本当に気の毒。小さい子供まで標本になっている。ひ孫を見ると思い出してどうしようもない」と声を絞り出した。

 13日には、実験室や監獄棟、撤退時に爆破したボイラー棟など一部の施設が保存された部隊跡地に足を運び、慰霊碑に手を合わせた。「私たち(少年隊員)は自由が利かないので、命令に従ってやったのがほとんど。謝るという気持ちで祈りました」と静かに語った。当時の関連文書や付近で収集したとされる薬品の瓶などを展示した陳列館も視察した。

 清水さんの訪中に対する中国メディアの関心は高く、ハルビンの空港到着時から十数社が取り囲むように取材した。一方、中国側は日本メディアの取材をほとんど認めなかった。 

[時事通信社]

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