自民総裁選、石破氏が出馬表明＝裏金議員の公認「徹底議論」―茂木氏、初の立候補へ

　自民党の石破茂元幹事長（６７）は２４日、党総裁選（９月１２日告示、２７日投開票）への立候補を正式に表明した。派閥裏金事件への対応を巡り国民に信を問うため、首相に就任すれば早期に衆院解散に踏み切りたいと強調。事件の関係議員を公認するかどうかを党内で徹底的に議論する考えを示した。一方、茂木敏充幹事長（６８）は出馬の意向を固めた。表明の時期を検討している。

　石破氏は地元の鳥取県八頭町の神社で記者団に対し、５回目となる今回の総裁選への挑戦を「政治生活の集大成、最後の戦い」と位置付け、「政治は変わる、自民は変わる。実現できるのは自分だ」と語った。

　その上で裏金事件に関し「新体制になれば可能な限り早く国民に審判を仰がねばならない」と指摘。関係議員について「自民候補として公認するにふさわしいかどうか、議論は選対委員会で徹底的に行われるべきだ」と強調した。解散に先立って衆参両院の予算委員会に出席し、「この政権が何を目指すか国民に示す」とも語った。

　石破氏は政治資金について「限りない透明性を持って国民に公開する」と説明。保守派に慎重論がある選択的夫婦別姓制度については「姓を選べる（ようにす）べきだ」と導入論を唱えた。

　茂木氏の出馬は初めて。政策集団への衣替えを決めた４０人超の茂木派を率いてきた。実務能力を評価され、政調会長や選対委員長、経済産業相、外相といった要職を歴任。知名度不足を払拭し、党所属議員の支持をいかに広げるかが課題だ。

　２４日は沖縄県宜野湾市で講演し「『首相として課題解決の先頭で頑張ってほしい』と期待の声をいただいている。近々決断したい」と語った。

　総裁選は１０人超の名前が取り沙汰される混戦模様だ。石破氏に加え、小林鷹之前経済安全保障担当相（４９）がこれまでに出馬を表明している。河野太郎デジタル相（６１）は２６日、小泉進次郎元環境相（４３）は３０日に表明する。

　上川陽子外相（７１）は２４日、記者団に、２０人の推薦人確保に自信を示し「表明はまだ決まっていないが、いずれそういう場面が来る」と語った。　

［時事通信社］