女性の結婚移住を支援＝東京からＵＩＪターン後押し―政府

　政府は２０２５年度、結婚をきっかけに東京から地方に移住する独身女性の支援に乗り出す方針を固めた。婚活イベントに参加する際の交通費補助などを想定。地方で若年女性人口が減少し、東京一極集中が進む中、都市から移住する「ＵＩＪターン」に関心がある女性を後押しする。２５年度予算概算要求に関連費用を盛り込む。

　東京２３区から地方へ移住する人に最大１００万円を支援する自治体向けの交付金事業を拡充して実施する。例えば、地方で開かれる婚活イベントに東京から出向く交通費を支援するほか、実際に移住に至った際の支援金を上乗せする。支給額など制度の詳細は予算編成過程で検討する。

　近年、東京圏への転入超過は男性より女性が多い。政府関係者によると、女性の方が進学や就職で上京後に地方に戻らない傾向があるという。

　同時に地方では、未婚者の人口に男女差が生じている。２０年の国勢調査によると、東京都を除く４６道府県の１５～４９歳の未婚人口は、男性が約１１１０万人だったのに対し、女性は約９１０万人で、約２割少ない。女性が約３割少ない県もある。

　子どもを産む中心的な世代である若年女性が減る地域では、将来の人口維持がますます困難になる。このため政府は、移住を視野に入れる独身女性に対する重点的な支援が必要と判断した。　

［時事通信社］