「サカイの出来高払いは違法」＝引っ越し作業員が提訴―大阪地裁

　サカイ引越センター（堺市）が、引っ越し作業員に出来高払いの賃金制度を採用し、残業代を安く抑えているのは労働基準法に違反するとして、退職者を含む作業員兼ドライバー６人が２７日、残業代計約１８００万円の支払いを求めて大阪地裁に提訴した。

　訴状などによると、サカイは出来高払いの計算方法として、引っ越し作業の件数などに応じて変動する「業績給」を採用。しかし、この計算方法は長時間の時間外労働をしても割増賃金が低く抑えられる仕組みで、１カ月あたり１人約８万～１０万円が支払われなかったとしている。

　同社の出来高払い制度を巡っては、別の元作業員も同様の訴訟を起こし、昨年８月に一審東京地裁立川支部で、今年５月に二審東京高裁でいずれも元作業員側が勝訴。同社側が上告している。

　原告側代理人は提訴後の記者会見で「大阪からサカイの出来高払いの仕組みを変えたい」と話した。サカイは「訴状が届いていないので回答を差し控える」とコメントした。　

［時事通信社］