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強権マドゥロ氏、野党弾圧=「勝利」への疑義消えず―大統領選から1カ月・ベネズエラ

時事通信 / 2024年8月28日 14時54分

 【サンパウロ時事】南米ベネズエラ大統領選から28日で1カ月となった。「3選」を宣言したマドゥロ大統領は強権姿勢を強め、同じく勝利を主張する野党を弾圧。選挙結果に疑義を呈する声が絶えない中、国際社会の分断に乗じ、追及をかわそうとしている。

 「選挙結果が大多数の国民や国際社会の疑念をあおるものであることを、大変遺憾に思う」。選管当局幹部は26日、X(旧ツイッター)で、投票締め切りに合わせて野党の選挙監視員が閉め出されるなど選挙で不正行為があったと告発した。

 大統領選では、選管当局が投票終了からさほど間を置かずにマドゥロ氏の勝利を発表。最高裁も今月に入り、「正当性に異論の余地はない」と当選を追認した。いずれの組織もマドゥロ氏の影響下にあり、選管幹部の内部告発にもかかわらず、結論が揺らぐ気配はない。

 マドゥロ氏は27日に一部閣僚の交代に踏み切り、権力の足場を固め直す一方で、野党支持者らの抗議活動については摘発を徹底している。これまでに2000人以上が拘束され、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「恣意(しい)的な逮捕はベネズエラの近年の歴史に例を見ない規模に達するとみられる」と非難する。

 与党が圧倒的多数を占める議会も、人権団体などNGOの取り締まりを強化する法案を可決。捜査当局は野党統一候補のゴンサレス氏と野党指導者マチャド氏に対する捜査を開始した。

 国際社会の圧力も機能していない。国連などの選挙監視団は選挙に関し「透明性を欠いた」と表明。キューバやニカラグアなど一部を除く中南米諸国や米欧も同様の見方で、選管当局の発表を検証するため詳細な開票結果を開示するよう要求した。

 対照的に、強権体制とされる中国やロシアはマドゥロ氏の当選を祝福。独裁色を強めるニカラグアのオルテガ大統領は26日、選挙のやり直しを求めたブラジルのルラ大統領を「自らをおとしめている」と批判した。

 ブラジルのリオデジャネイロ州立大学の国際関係専門家ステファニー・ブラウン氏は、野党陣営がデモへの動員を続けているが、現状では「ゴンサレス氏とマチャド氏が選挙結果を覆す余地は少ない」と分析している。 

[時事通信社]

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