土砂崩れ、重体男性も死亡＝犠牲者３人に―愛知・蒲郡

　愛知県蒲郡市で、一家５人が巻き込まれた土砂崩れで、重体となっていた７０代の男性が２９日未明、搬送先の病院で死亡が確認された。死者は７０代の妻、３０代の長男を含め３人となった。他に４０代の長女が軽傷、４０代の次女が重傷を負った。

　市などによると、土砂崩れは２７日夜、同市竹谷町大久古で起き、民家が倒壊して５人が巻き込まれた。警察や消防などによる捜索は最大１１０人態勢で夜を徹して行われた。２９日未明までに全員が救助されたが、男性ら死亡した３人は意識不明の状態で見つかっていた。

　関係者によると、民家は山の斜面を背にした２階建ての母屋に、平屋が連なる造り。亡くなった３人のうち、男性と長男は母屋にいたとみられ、大量の土砂が流入し、救出までに１日以上を費やした。

　女性３人は斜面からやや離れた平屋にいたとみられている。姉妹のうち１人は自ら１１９番して救助を求め、もう１人も呼び掛けに応答して助け出されており、崩落起点からの距離が生死を分ける結果となったもようだ。

　現場は土砂災害警戒区域などに指定されていなかったが、２７日夜までの２４時間雨量は、平年８月の１カ月分を上回った。想定を超える大雨の影響で地盤が緩み、山の斜面の崩落につながったとみられている。　

［時事通信社］