米エヌビディア、株価６％安＝予想上回る決算も期待に届かず

　【ニューヨーク時事】米半導体大手エヌビディアの株価は２９日、前日終値比で６％超下落した。報道によると、前日発表した２０２４年５～７月期決算は市場予想を上回ったが、投資家の高い期待には届かなかった。人工知能（ＡＩ）ブームの花形として相場全体をけん引してきたが、息切れ感もみられる。

　エヌビディア株は２９日、前日終値比６．４％安の１１７．５９ドルで終了した。一時７．１％安まで下げる場面があった。

　５～７月期決算は売上高が前年同期比２．２倍、純利益が２．７倍。同社の急速な成長は健在だ。ただ、「予想を大きく上回って当然」（日系証券）とみられてきたエヌビディアにとって、今回の上振れの程度は小幅だったとの指摘が出ている。また、ロイター通信によると８～１０月期の業績予想で示された粗利益率は、市場予想を下回った。

　市場ではＡＩ向け半導体の新製品「ブラックウェル」の出荷時期が遅れるのではないかとの懸念も高まっていた。決算説明会で２４年１１月～２５年１月期に量産を始め、同期間の売上高は数十億ドルに上るとの見通しが明らかにされたが、それ以上の詳しい説明はなく、投資家の不安を払拭できなかった。

　米金融関係者は、人々が「非常に高いハードルを設定していた」ことが株価急落の原因だと分析。ＡＩ革命は、野球の試合ならまだ序盤の２回ぐらいだとして、「ポップコーンを買って楽しむべきだ」と話した。　

［時事通信社］