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ペルーのフジモリ元大統領死去、86歳=南米初の日系人大統領―左翼ゲリラ掃討、獄中生活も

時事通信 / 2024年9月12日 10時28分

 【サンパウロ時事】1990年に日系人としては南米で初めて大統領に就任したペルーのアルベルト・フジモリ氏が死去した。86歳だった。長女のケイコ氏が11日、明らかにした。地元メディアによると、首都リマの自宅で同日、息を引き取った。ケイコ氏はフェイスブックに「長きにわたるがんとの闘いの末、父は先ほど神に召された」と書き込んだ。

 在任中は日本大使公邸人質事件を武力で解決したほか、インフレ収束や左翼ゲリラ掃討で成果を挙げたが、側近の汚職をきっかけに失脚。人権侵害の罪に問われ、長く獄中で過ごした。今年7月には、26年に予定される大統領選に返り咲きを目指し出馬する意向を表明していた。

 ペルーに移住した熊本県出身の両親の下に生まれた。母校の国立モリナ農科大の教授や学長も務め、90年大統領選の決選投票で、後のノーベル賞作家バルガス・リョサ氏に勝利した。

 公共工事による農村の貧困対策や経済の安定化に取り組んだが、強引な政治手法は「独裁」と批判も浴びた。96年、左翼ゲリラ「トゥパク・アマル革命運動(MRTA)」の武装集団がリマの日本大使公邸を襲撃し立てこもった事件では、軍特殊部隊による突入を決断。人質71人を救出した。

 2000年に3選を果たした直後、側近の不正が発覚。外遊先の日本から辞表を提出し、事実上の亡命生活に入った。06年大統領選への出馬を表明後、日本から祖国へ戻る途中のチリで拘束された。07年9月にペルーへ引き渡され、在任中に市民虐殺事件に関与した罪で禁錮25年が確定した。

 近年はうつ病やがん、血圧異常に悩まされ、収監先から入退院を繰り返した。17年末に健康上の理由からクチンスキ大統領(当時)が恩赦を決定。恩赦を無効とする裁判所の判断で約1年後に再収監されたが、憲法裁は23年12月に公表した判決で即時釈放を命じ、再び自由の身となった。 

[時事通信社]

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