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東海道新幹線に40年=食堂車からワゴン販売まで―最年長パーサー「幸せ」

時事通信 / 2024年10月1日 5時12分

 開業60年を迎えた東海道新幹線に、40年間乗り続ける女性パーサーがいる。食堂車やカフェテリア、ワゴン販売など、時代と共に移り変わった車内サービスの提供を通じて、乗客を見詰めてきた。「良い仲間がいたのでここまで来られた。40年間も乗られるのは幸せなのかな」とほほ笑む。

 女性は「JR東海リテイリング・プラス」大阪列車営業支店に所属する佐貫淳子さん(57)。現役で最年長のパーサーだ。窓から山陽新幹線が見える家で育った佐貫さんは、兵庫県内の高校卒業後に入社。当初はサンドイッチなどの車内販売を担当し、2年目からは食堂車のウエートレスとして勤務した。人気のメニューはカレーライスとハンバーグ。当時は団体客が多く、揺れる車内の中、瓶ビール8本をまとめて運んだことも。

 泊まり込みで勤務するハードな日々の中、共に働く上司や同僚が支えとなった。当時は15人ほどが食堂車で働き、「旅行やスキーに行ったり、家族のように過ごしたりしていた」と懐かしむ。

 時にはワゴン販売も担当した佐貫さん。夏休みのある日、7号車の1両だけでアイスクリームを24個販売し、「団体客でもないのに、そんなに売れるとは」と驚いたことが忘れられない思い出だ。

 食堂車はその後、持ち帰り方式のカフェテリアに置き換えが進んだが、乗車時間の短縮などを背景に、食堂車は2000年、カフェテリアは03年に営業を終了。ワゴン販売も23年10月に役目を終え、現在はグリーン車の乗客がスマホから注文する「モバイルオーダー」に姿を変えた。

 新幹線で長年働き、「旅が身近になり、いろいろな人が簡単に乗れるようになった」と感じる。最近は外国人観光客と翻訳機でやりとりするのにひと苦労だが、常に笑顔は忘れない。「あともう少し、頑張りましょうかね」。 

[時事通信社]

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