レバノン南部で戦闘激化=空爆続行、国際社会から懸念―イスラエル・ヒズボラ
時事通信 / 2024年10月3日 19時38分
【エルサレム時事】イスラエル軍は3日、地上侵攻したレバノン南部で2日夜から3日未明にかけて、行政庁舎を空爆したと発表した。イスラム教シーア派組織ヒズボラが大量の武器を保管していたと説明した。南部では2日、ヒズボラ戦闘員との交戦でイスラエル兵8人が死亡。侵攻後にイスラエル兵に死者が出たのは初めて。ヒズボラは徹底抗戦の構えで、戦闘は一段と激化する様相を見せている。
イスラエル軍の声明によると、行政庁舎への空爆でヒズボラ戦闘員約15人を殺害した。軍はまた、レバノン南部の武器庫や監視拠点など約200カ所に空爆を加えた。過去1日でイスラエル軍はヒズボラ戦闘員約60人を殺害したと報じられている。
一方ヒズボラは2日、レバノン南部の村に向けて進軍していたイスラエル軍部隊を攻撃。同軍の主力戦車「メルカバ」3両をロケット弾で破壊したと主張した。
AFP通信によると、イスラエル軍は3日、首都ベイルート中心部のヒズボラ関連施設も空爆し、6人が死亡した。レバノン保健省は2日夜、過去24時間に全土で46人が死亡したと発表した。
イスラエルは、1日のイランによる大規模ミサイル攻撃への報復も検討。イランの石油施設や核施設などへの攻撃を行う意向とも伝えられる。これに対し、ヒズボラの後ろ盾であるイランのバゲリ軍参謀総長は、イスラエルが報復すれば、さらに強力な反撃を行うとけん制した。
国際社会からは戦闘激化への懸念の声が上がっている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2日、「レバノンでは死者が増加し、病院は押し寄せる負傷者でパンク状態だ」と述べ、医療提供体制に支障が生じているとした。
[時事通信社]
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