「変節」批判受け首相判断=裏金議員非公認、歓迎と反発―衆院選
時事通信 / 2024年10月6日 20時47分
世論の期待と党内融和の板挟みになっていた石破茂首相(自民党総裁)がようやく判断を下した。次期衆院選で「裏金議員」の比例代表との重複立候補を認めず、一部は小選挙区で非公認とすると表明。いったん原則公認に傾きつつも、「変節」批判に押され、当初の主張に立ち戻った。ただ、対象議員の政治生命を左右しかねない決定に党内の評価は割れ、石破政権は揺れている。
「退路を断って有権者の審判に委ねる。国民の納得と共感を求めたい」。首相は6日、裏金議員に厳しく対応する姿勢を記者団に強調した。
1日の政権発足後、首相が直面したのが裏金議員の公認問題だ。超短期の衆院解散・総選挙にかじを切ったことで、「十分な国会質疑」の約束などと合わせ、総裁選で非公認を示唆した発言のつじつまが早速問われた。政権基盤がもろい首相は党内の声を無視できず、当初は「石破カラーを出すと党内から怒られる」と漏らす場面もあった。
政権の滑り出しで首相は内輪の論理優先の判断を重ねる。衆院選前の予算委員会を拒否し、日米地位協定改定などの持論を所信表明演説で封印。野党から「うそつき」などの批判が噴出し、言行不一致を重ねれば、衆院選を目前に世論の失望が広がりかねない状況に追い込まれた。
公認問題を巡っては執行部内の意見も割れていた。「選挙は当選第一主義だ」と訴える森山裕幹事長に対し、小泉進次郎選対委員長は厳しい対応を主張。首相と、森山、小泉両氏の協議は3、5両日には結論が出ず、6日に1時間余り議論を重ねた末に首相がようやく判断した。
首相周辺は「有言不実行と言われ続け、首相がキレたということだ」と解説した。
党内では歓迎と反発の声が交錯した。小泉氏は6日の街頭演説で「自らに鋭いメスを入れなければならない」と意義を強調。閣僚経験者は「信頼回復に向けやむを得ない」と評価し、中堅議員は「裏金議員は比例復活しても『裏金ゾンビ』と言われるだけだった」と理解を示す。
これに対し、非公認となる旧安倍派の高木毅元国対委員長は福井県内で記者団に「会見し、政治倫理審査会にも出て、一定の説明責任は果たされたのではないか」と割り切れない思いをのぞかせた。旧安倍派内には「安倍派つぶしだ」などの反発が渦巻き、若手議員は「これで選挙結果が悪ければ『石破降ろし』だ」と息巻く。
首相は4月の党内処分の対象となった議員の多くに関しては「説明責任」などを基準に公認を判断するとしており、非公認の規模はなお定まっていない。立憲民主党の野田佳彦代表は記者団に「『相当程度が公認されない』という首相の言い方はミスリード。大半が公認される仕組みではないか」と挑発した。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
世論の批判に危機感、旧安倍派ら猛反発「完全な切り捨て」「裏切り」…「不記載」議員の比例選重複認めず
読売新聞 / 2024年10月7日 9時47分
-
石破新首相 前言撤回の「裏金議員斬り」…ウラに選対委員長・小泉進次郎の〝ドライ〟な思惑
東スポWEB / 2024年10月7日 6時10分
-
「石破、お前もか…」旧石破派に140万円のパーティ収入不記載報道。裏金議員への処分も甘々で…早くも「自民党の価値観」と「党内融和」維持に豹変?
集英社オンライン / 2024年10月4日 20時10分
-
裏金議員、重複見送りに戦々恐々=石破首相は世論と板挟み―次期衆院選
時事通信 / 2024年10月2日 19時42分
-
〝解散〟変節、石破内閣に大逆風 村上氏「国賊」発言正当化、安倍路線の否定・決別に「旧安倍派」激怒 支持率は「一度落ちると止まらない」
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月2日 11時35分
ランキング
-
1萩生田光一氏ら6人が非公認へ…「不記載」議員の比例重複認めず、石破首相「退路を断って有権者の審判に委ねる」
読売新聞 / 2024年10月6日 22時5分
-
2音楽イベントでクレーン倒れ女性客を直撃…首骨折など4人重軽傷 主催会社『操作ミスの可能性高い』 警察は業務上過失傷害の疑いも視野に捜査
MBSニュース / 2024年10月6日 22時0分
-
3医師派遣、学生交流、市民が続ける支援 ガザ戦闘1年、関心薄れ懸念
毎日新聞 / 2024年10月6日 18時22分
-
412年前のパチンコ店での強盗傷害事件“執念の捜査”で男ら逮捕 捜査資料や防カメなどを再精査 京都・与謝野町
MBSニュース / 2024年10月6日 18時30分
-
5アパートで89歳女性死亡、東京 同居の夫と連絡取れず
共同通信 / 2024年10月7日 7時56分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください