「私は検察に殺された」=被害女性、副検事を告発も―元検事正初公判
時事通信 / 2024年10月25日 22時10分
元大阪地検検事正、北川健太郎被告の初公判後、被害に遭った女性検事が25日、大阪市内で記者会見し、時折涙を流しながら、「私は検察に殺された」と訴えた。事件直前に開かれた懇親会で2人と同席した副検事が情報を被告側に漏らしていたとし、告発したことも明かした。
被害者参加制度を利用して法廷で罪状認否を聞いた女性は「被害を受けてから約6年間、本当にずっと苦しんできた。なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか」と憤った。北川被告が起訴内容を認めても「私の処罰感情が和らぐはずがない」と強調した。
会見で女性は、約3時間にわたる暴行の様子を詳細に説明。帰宅後、「汚された体を洗いまくって、本当につらくて、泣きながら寝た」と涙をこらえながら話した。事件後は「私が公にしなかったら被告人はおとなしくしている」と考え、被害を忘れようと仕事に没頭したという。
だが、北川被告が事件を隠したまま退官し、その後も幹部検事と飲み歩くなどしていることを知り、「自分の犯した罪などなかったような振る舞いで、検事正だった人間がここまで罪深く非常識なことに誰も気付いていない」と被害を訴えることにした。
捜査開始後も「事件をつぶされるかもしれない」と不安を感じたという女性。懇親会に同席した女性副検事が北川被告側に捜査情報を漏らし、同被告をかばう発言をしていたことが分かり、名誉毀損(きそん)や犯人隠避などの容疑で大阪高検に告訴・告発したが、検察からの説明や謝罪はないという。「非常に孤立させられた状況だ」と訴えた。
女性は事件後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を受けるなどして、病気休暇を余儀なくされた。女性は「私は一生抱える傷を負い、苦しむことになったが、被告からは何ら慰謝や謝罪文もない。長期実刑を望んでいる」と述べた。
[時事通信社]
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