死去の勝俣元会長、公訴棄却＝東電福島原発事故の刑事裁判―最高裁

　東京電力福島第１原発事故を巡り、津波対策を怠って病院の入院患者らを死亡させたなどとして業務上過失致死傷罪に問われ、１０月に８４歳で死去した勝俣恒久元会長について、最高裁第２小法廷（岡村和美裁判長）は１３日付で、裁判を打ち切る公訴棄却を決定した。

　勝俣元会長は東京地検の捜査で不起訴とされたが、その後検察審査会が２度にわたり「起訴相当」を議決。２０１６年２月に検察官役の指定弁護士が元会長を含む旧経営陣３人を強制起訴した。

　一審東京地裁は１９年９月、事故原因とされた巨大津波は予見できなかったとして３人全員に無罪を言い渡した。二審東京高裁も２３年１月、予見可能性を否定し、一審判決を支持。指定弁護士が最高裁に上告していた。　

［時事通信社］