北朝鮮派兵「深刻に懸念」＝正常化６０周年で「関係飛躍」―日韓首脳

　【リマ時事】石破茂首相は１６日午後（日本時間１７日午前）、訪問先のペルーの首都リマで、韓国の尹錫悦大統領と約５０分間会談した。両首脳は北朝鮮によるロシアへの兵士派遣について、ロ朝間の軍事協力が深化しているとして「深刻な懸念」を共有。核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に対し、米国を含めた３カ国で連携して対処していく方針を確認した。

　首相は会談で「北朝鮮の動きを含め、私どもを取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、日韓、日米韓の協力を強化することは重要だ」と指摘した。大統領は北朝鮮の派兵に触れ「域内、世界の情勢が緊迫化している。韓日の緊密な連携がいつにも増して重要になっている」と語った。

　両首脳は来年の日韓国交正常化６０周年を踏まえ、日韓関係を「未来に向けてさらに飛躍させる」ことで一致。安全保障、経済など幅広い分野で包括的に協力拡大を進めることを申し合わせた。

　両首脳の会談は１０月のラオスに続いて２回目で、相互に往来する「シャトル外交」も念頭に、緊密な意思疎通を続けることで合意した。会談後、首相は記者団に「正常化６０年を控え、首脳会談の頻度はさらに上げていきたい。いつでも話し合いの機会をつくろうということで一致した」と説明した。　

［時事通信社］