レバノン停戦協議、課題積み残し＝合意監視枠組みでイスラエル反発か

　【カイロ時事】イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの停戦協議に関し、米紙ニューヨーク・タイムズ（電子版）は２２日、「まだ重要な詳細を詰める必要がある」とする米当局者らの見方を伝えた。停戦を仲介する米国のホックスティーン特使がレバノンとイスラエルを歴訪し調停を試みていたが、課題が積み残されたまま、妥結は持ち越された。

　報道によると、停戦案は６０日間戦闘を停止し、ヒズボラが国境から約３０キロ離れたレバノン南部のリタニ川以北に撤退するとともに、イスラエル軍もレバノンから部隊を撤収する内容。レバノン軍と国連レバノン暫定軍（ＵＮＩＦＩＬ）が国境地帯に展開し、米国が主導する国際的な枠組みが合意履行の状況を監視する。

　ホックスティーン氏はレバノンでヒズボラの交渉窓口を担うベリ国民議会（国会）議長と停戦案を協議。その後イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相やカッツ国防相と会談した。

　合意監視の枠組みについて、イスラエルは同国に厳しい態度を取るフランスの参加を拒否したと報じられている。イスラエルの国防当局者は地元メディアに、停戦後もヒズボラへの武器移送を含む「差し迫った脅威」があった場合、イスラエル側には行動する権利があると主張。ヒズボラはレバノンの主権を侵害する条件は受け入れない姿勢で、双方の溝となっている可能性がある。　

［時事通信社］