能登は今後も強い揺れや津波=地震活発化4年、M6以上相次ぐ
時事通信 / 2024年12月11日 14時0分
能登半島で地震が活発化してから4年が経過し、政府の地震調査委員会は「一連の地震活動は当分続くと考えられる」とした上で、1月にマグニチュード(M)7.6(最大震度7)の地震が起きた後の活動域やその周辺では今後も「強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある」との評価をまとめた。
平田直委員長は10日の定例会合後の記者会見で、11月26日に能登半島西方沖で起きたM6.6(同5弱)の地震は、この4年間で2番目に大きかったと指摘。活発な活動が4年続くだけでなく、M6以上の地震が半年に1回ぐらいずつ起きるのは「これまで経験したことがない」と話し、「引き続き十分注意してほしい」と呼び掛けた。
地震が活発化したのは2020年12月。地下深くから水を含む流体が上昇し、半島北東部付近を中心に小規模な断層がずれ動きやすくなったためと考えられている。しかし、今年1月の大地震と津波は、長大な「能登半島北岸断層帯」などが動いて発生し、沿岸が大きく隆起した。地震活動域は半島の北東沖を含め、長さ約150キロの範囲にわたった。
6月にはこの活動域の中央近くでM6.0(同5強)の地震が発生。11月には西端でM6.6の地震が起き、地震調査委が8月に公表した海域活断層図では、震源のすぐ東側に「羽咋沖西断層」がある。平田委員長は「この断層が動いたというデータは今のところ得られていない」と述べる一方、付近の海底下にまだ把握できていない断層があり、ずれ動いた可能性もあるとの見方を示した。
地下深くからの流体上昇はわずかな地殻変動として観測されていたが、1月に大地震が起きてからは断層のずれによる地殻変動が非常に大きく、覆い隠されてしまった。このため、平田委員長は「一連の地震活動がいつ終わるかは言えない。M6を超える地震が数カ月から年単位で今後も続く可能性がある」と話した。
[時事通信社]
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