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後遺症で手術、被害の爪痕深く=SNSに理不尽な非難も―爆発火災

時事通信 / 2024年12月17日 18時23分

 東京・新橋の爆発火災では、2階のバーで開店準備中だった男性店長(54)が重度のやけどを負った。警視庁捜査1課によると、発生から1年半近くが経過した今も両手の後遺症に苦しみ、繰り返し手術を余儀なくされている。

 当時、店内にいた女性従業員(54)や通行人の男女3人も落下物に当たったり、やけどをしたりして3週間~8カ月のけがをした。

 地下1階地上8階建ての現場ビルは、2階部分を中心に延べ約99平方メートルが焼損した。外壁が焦げるなどして周辺のビル5棟や車5台が損壊し、損害総額は計約1億2000万円に上るという。

 爆発火災を巡っては当初、「店長が同庁に『ガス臭いと思いながらライターを付けたら爆発した』と説明した」との報道があり、SNSでは「ガスの臭いがするのになぜ火を付けたのか」と店長への非難が巻き起こった。店はホームページで「店長がそのような説明をした事実はない」と声明を出すなど対応に追われた。

 同課によると、店長は調べに「ガス臭はしなかった」と説明。店内にガス設備もなく、ガス漏れには気付かなかったと判断した。直前まで現場にいた水道業者らも「臭いはしなかった」と話した。

 オーナーの谷口悦一さんは跡形もなく吹き飛んだ店の再建を目指したが、爆発火災から程なくして病気が発覚。闘病中も「被害者や店の損害を考えるとあまりに不合理だ」と語り、落ち度のない店長への非難に心を痛めていた。

 谷口さんは爆発火災を風化させたくないと原因究明を求めていたが、書類送検を待たずに今月中旬に亡くなった。 

[時事通信社]

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