被害者以外、事件目撃なく＝襲撃時間の短さも影響か―中学生２人死傷・福岡県警

　北九州市小倉南区のファストフード店で中学３年生の男女２人が男に刺され、中島咲彩さん（１５）が死亡した事件で、２人が襲われた瞬間を目撃した人は被害者以外に確認されていないことが１８日、捜査関係者への取材で分かった。福岡県警小倉南署捜査本部は、中島さんと一緒に襲われて入院中の男子生徒（１５）の回復を待ち、発生時の状況を詳しく聞き取る方針。

　捜査本部によると、中島さんは１４日午後８時すぎ、塾帰りに男子生徒と待ち合わせ、同区徳力の「マクドナルド３２２徳力店」に入店。２人は店内で席を確保するなどした上で、注文用レジの列に並び、２人の前には２、３人の客がいた。同２５分ごろに男が入店すると、いきなり２人に向かっていき、刃物のようなもので刺した。

　捜査関係者によると、２人の前に並んでいた客はいずれも襲われた瞬間を見ていなかったという。男が店内にいた時間が３０秒未満と短時間だったことも影響したとみられる。店員がその後事件に気付き、１１９番した。

　男の逃走後、２人は病院に搬送。腹部を刺された中島さんは約１時間半後に死亡が確認された。腰付近を刺された男子生徒は命に別条はなかったが、深い傷を負った。

　捜査本部は、付近の防犯カメラや車のドライブレコーダーの映像などを収集するなどして、男の行方を追っている。　

［時事通信社］