発覚直前まで不正取引=識者「社会的常識欠く」―元裁判官インサイダー
時事通信 / 2024年12月25日 17時42分
司法の未来を担うはずだった元裁判官がインサイダー取引の罪で在宅起訴された。佐藤壮一郎元裁判官(32)は金融庁に出向中、不正な株取引を発覚直前まで行っていたとされる。最高裁は11月、全国の裁判官らに株取引で違法行為などをしないよう注意喚起する異例の対応を取ったが、専門家からはさらなる再発防止を求める声も上がる。
複数の関係者によると、佐藤元裁判官は出向直後から未公表の企業情報に基づいて不正な株取引を始め、取引額を徐々に増加させた。こうした株取引は、証券取引等監視委員会が調査に着手する直前まで続いていたといい、不正にのめり込んでいた様子がうかがえる。
裁判官は上場企業が当事者となる訴訟や刑事事件で司法判断を下す立場にあり、中には株価に影響し得る案件もある。それにもかかわらず、裁判所では裁判官の株取引を制限する内規などは設けられておらず、特化した研修もないという。
元裁判官で明治大大学院の瀬木比呂志専任教授(民事訴訟法)は「閉鎖的な組織で社会的常識を欠く裁判官がいるから、こういう事件が起こる」と指摘。その上で「最高裁や金融庁が出向者に対して、事前に不正な株取引をしないよう説明するなど最低限の教育をすべきだ」と話した。
一方、東京証券取引所の若手社員だった細道慶斗元社員(26)は、自らの父親に利益をもたらそうと未公開情報を漏らし、それを基に父親は3社の株式計約1700万円分を不正に買い付けたとされる。
東証を傘下に持つ日本取引所グループは、独立社外取締役で構成する「調査検証委員会」を設置し、社員への教育研修や情報管理の体制などについて検証、評価を進めている。
[時事通信社]
この記事に関連するニュース
-
インサイダー取引疑いの元裁判官を在宅起訴 東証元社員と父親も 東京地検特捜部
産経ニュース / 2024年12月25日 15時44分
-
インサイダー取引疑惑、裁判官と東証元社員を在宅起訴…東京地検特捜部
読売新聞 / 2024年12月25日 15時35分
-
裁判官「不正は自分のため」、友人「弁護士より収入少なく見返したかったのでは」…インサイダー告発
読売新聞 / 2024年12月24日 7時48分
-
裁判官と元東証社員、インサイダー容疑で同時告発 異例の事態に
毎日新聞 / 2024年12月23日 21時20分
-
金融庁出向の裁判官告発=東証元社員も、インサイダー関与疑い―TOB情報基に・監視委
時事通信 / 2024年12月23日 19時47分
ランキング
-
1政治資金問題へのけじめ…自民党が「赤い羽根募金」に7億円超を寄付へ、党費などを原資に拠出
読売新聞 / 2024年12月26日 20時38分
-
2JALサイバー攻撃 75便に欠航や遅れ 最大4時間の遅れも
毎日新聞 / 2024年12月26日 19時38分
-
3生理休暇中に海外旅行し懲戒免職処分、45歳女性教諭 夫とのけんか調査で虚偽発覚
産経ニュース / 2024年12月26日 16時46分
-
4『タイヤ館』新入社員が入社後わずか8か月“パワハラ”で自殺 両親は「パワハラを認め、謝罪してほしい」と運営会社を提訴
MBSニュース / 2024年12月26日 18時25分
-
5寒さが大敵の「心筋梗塞」、防ぐための10箇条とは
ウェザーニュース / 2024年12月26日 14時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください